開発責任者の本田技術研究所の蓮子末大(はっし・すえひろ)主任研究員は『ステップワゴン』のライバルとして同じ5ナンバー枠のミニバン、トヨタ『ノア/ヴォクシー』、日産『セレナ』を挙げ、特にヴォクシーのユーザーをターゲットとしていることを伺わせた。
一方、今回のステップワゴンについて、発表時に福井威夫社長が既存の70万人のステップワゴンユーザーの乗り換えを狙っていると名言している。
蓮子氏もユーザー層については「1代目から今回の3代目まで、そんなに変わらない」と答え、「空間がいちばん大事。それをベースにデザインすると箱っぽくなるが、箱を箱に見せないようにデザインした」とコンセプト維持も強調する。
しかし、低床化や丸みを帯びたスタイリングで、旧型とは大幅にイメージが異なってしまった点については「空力などを考えながらスタイリッシュに、アグレッシブでフレンドリーなマスクを採用した」と答え、従来のイメージからの脱却を狙っていることは明らか。
さらに、「スタイリングとか、走りとか、もうちょっとお客さまの幅を広げたい」とし、ユーザー層の変化や、ライバル車からの乗り換えも強く意識していることも伺わせた。
同氏はさらに「これが、これからのファミリーカーになっていく」と話す。新型ステップワゴンは従来の箱形デザインの室内だけを踏襲し、外観は大きく変更、アグレッシブとも“かわいい”ともとれる微妙なマスクを持ち、さまざまな層からの支持を得たい考えがはっきりわかるミニバンに仕上がった。