昨年から続くガソリン価格の高値により、アメリカではトヨタ『プリウス』の人気に拍車がかかっている。一時、ディーラーでのプリウス納車待ちは平均で8カ月となり、現在も再度の生産能力の拡大にもかかわらず、トヨタの供給は需要に追いついていない。
トヨタ、ホンダが相次いでハイブリッドを発表した当時、アメリカでは「ハイブリッドはニッチマーケットにすぎない」という説が主流で、ビッグ3は当初自社での開発に強い興味を示していなかった。
マーケットアナリストも、「ハイブリッドは全体の5%を超えることはない」と悲観的だったのだが、今やハイブリッドは自動車メーカーにとって無視できない存在になりつつある。
フォードはすでにハイブリッドバージョンの『エスケープ』を発表、追加モデルを準備中だし、GMはダイムラークライスラーとジョイントベンチャーで独自のハイブリッド開発を進めている。
ハイブリッドがコストに見合うだけのガソリン節約となっているのかを疑問視する声もあるが、カリフォルニアのようにハイブリッド車両に「優先レーンの走行」を認める州もあり、「環境に優しいクルマ」としてのハイブリッドのイメージは強い。
アカデミー賞授賞式でスターがプリウスに乗って登場したりと、ますますセレブ感を強めるハイブリッド、まだまだ販売ポテンシャルは高い。