今年からLAオートショーで始まった新しいイベント、「デザインチャレンジLA」は、カリフォルニアらしい究極のカーデザインを競うコンペティションだ。参加したのはロサンゼルスエリアにデザインスタジオを持つ自動車メーカーで、11のデザインスタジオから13のエントリーがあった。エントリーしたのは:●デザインワークス(BMW)●カリフォルニア・アドバンスト・プロダクト・クリエーション(フォード)●キャルティ・デザイン・リサーチ(トヨタ)●5350インダストリアル・コンセプト(GM)●ホンダR&D●ヒュンダイ・キア・アメリカ・デザインセンター(現代、起亜)●マツダR&D●メルセデスベンツ・アドバンスト・デザイン・オブ・ノースアメリカ、●三菱R&D(三菱自動車)●パシフィカ・デザインセンター(ダイムラークライスラー)●フォルクスワーゲン/アウディ・デザインセンター・カリフォルニアいずれも南カリフォルニアのライフスタイルを考慮に入れたユニークなデザインだったが、特に会場からうけたのは車輪が横についてジェット噴射で「空飛ぶクルマ」のコンセプトを作り上げたメルセデスベンツだった。また、ホンダと三菱は漢字の名前をつけるなど、東洋と西洋の接点としてのカリフォルニアを意識したデザインを発表、これも好感触だった。しかしアートカレッジなどから選ばれた3人の審査員が表彰したのは、フォルクスワーゲンの『動くリビング』、ダイムラークライスラーの『LAビー』。動くリビングは、文字通り透明度の高いボディにゆったりとした室内で、コンセプトは「渋滞を楽しもう」。一方のビーは、まさにハチのような丸いボディ、小回りのきくパーソナルカー。どちらもキーワードはカリフォルニアの陽光を楽しみ、渋滞をものともしない、という点だったようだ。このように「デザイン」という面を強調することで他のオートショーとの差異をつけていきたい、とするLAオートショー。今年から開催時期もデトロイトと近接した年頭ではなく年末となる予定。変わり行くLAオートショーの今後に期待が持たれる、また各自動車メーカーにとってもチャレンジングなイベントとなった。