STi(スバルテクニカインターナショナル)が自ら開発したインプレッサSTiバージョンに、、さらにチューニングを施したコンプリートカーが『インプレッサS203』。販売は05年1月11日より始まり、限定台数は555台となる。
インプレッサS203のエンジンは、ターボのタービンを大型化することで、最高出力はベース車に比べ40psアップの320ps、最大トルクは1kgm向上した43.0kgmを実現している。
足まわりにも手が加えられており、タイヤやエアロパーツにもさまざまなスペシャルチューニングが施されている。その中でも、目玉はドライカーボン製の一体シェル構造を持つ、レカロ社製のバケットシート。一脚50万円以上のシートが運転席と助手席に採用されている。
このインプレッサS203について、開発を担当したSTi商品企画部長の伊藤健さんは、「今までのS201やS202は、その段階での走行性能を極めることを主眼に置いて開発していましたが、S203からはSTiのブランディングを、より上質な方向にシフトすることを目的に開発を進めています。そのため、エンジンはチューニングしていますが、ベースボディは、もっとも走行性能の高い『スペックC』ではなく、標準のSTiバージョンとしました。スペックCですと、どうしてもロードノイズや振動が残ってしまいます」
さらに「今後もSTiのコンプリートカーの方向性は、S203のような上質感を意識した、大人のスポーツカー路線を続けていきたいと考えています。目標としてはBMWの、Mシリーズのような位置付けに持っていけたらと思っています」とコメント。
今までのSTiのコンプリートカーといえば、見た目にも派手で、走り屋向けのようなモデルが多かった。だが、S203からは思い切った路線変更を行ない、今後も質感を重視したコンプリートカーを中心に生産するようだ。(つづく)