宮城県内でダイハツ『ムーヴ』が集中的に盗まれている。盗難車についての統計が出ている今年1−8月に37台が盗まれており、宮城県内で盗まれたクルマの車種別統計でも全体の約13%を占める。
これは13日、宮城県警・街頭犯罪総合対策室が明らかにしたもの。
被害や台数統計が確定している今年1月から8月末までの間、宮城県内では288台のクルマが盗まれているが、このうち12.8%にあたる37台がムーヴ。37台中の32台については仙台市周辺で被害に遭っており、発見された2台を除く35台のクルマは今もその所在がつかめていない。
ムーヴの被害については、東北地方では宮城県のみが突出しており、福島や山形、岩手などではここまで多くの被害は出ていないという。
何者かが「指名買い」のようなかたちで組織的に盗んでいるとも推測されるが、実は今年7月から8月に掛けて、川崎町や加美町の山中で、分解してエンジンやトランスミッション、オーディオ関係の装備を取られた、ムーヴとみられるクルマが大量に発見されている。
いずれも電動工具のようなもので切断された状態で発見されているが、ドアやボンネットなど通常は交換部品用として中古市場で引き合いのあるパーツはそのまま残されていた。
発見された残骸からは車台番号が削り取られているために正確な台数についてはわからず、回収された残骸から推測するしかないが、その数は約30台。所在不明となった35台の大半がこれらに含まれている可能性は極めて高い。
警察では販売店を通し、ムーヴの所有者に対して盗難被害が急増している実態や、具体的な防犯対策を講じるように依頼しているが、どこまで実効性があるかは未知数のまま。
9月末までの統計はまもなく発表されるが、さらに数台の被害が追加される見込み。