新型ホンダ『レジェンド』(7日発表・発売)の走りを特徴づける最大のデバイスは、新4WDシステム「SH-AWD」だろう。SH-AWDは走行状況に応じて、エンジンパワーを4輪に自在に配分するシステムだ。
可変範囲は前後輪間で70:30−30:70。さらに後輪については通常のディファレンシャルの制御範囲を超えて、左右輪の駆動力を100:0−0:100の範囲で自在に制御する。
システムの特徴はこの後輪の駆動力配分にあり、旋回加速時に外側の後輪に駆動力を重点的に配分し、アンダーステアを積極的に弱めることができるという優れもの。旋回時にヨーを誘発させるため、後輪の増速機構を持っているのも技術的な特徴のひとつだ。SH-AWDの制御はすべて電磁クラッチによって、リアルタイムで行われる。
スポーツドライビングでは、本来はコーナリング途中では前輪の荷重を逃がさないためにアクセルを開けないのが鉄則だが、公道ではコーナリング手前でブレーキングによって前傾姿勢を作れるほど飛ばせないこともしばしば。
SH-AWDは高度なスポーツ走行ばかりでなく、公道のワインディングを軽快に駆け抜けるといったドライビングの楽しみも提供する。