気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2004年5月21日付
●三菱自動車クラッチ欠陥、宇佐美容疑者隠ぺい了承、リコール回避優先「ハブ」事故後も放置(読売・1・面)
●三菱自動車、赤字2000億円規模別(読売・2面)
●目を覆う隠ぺい、再建試練、ふそう社長「体質だ」(朝日・2面)
●いすゞ、5期ぶりに黒字に(毎日・8面)
●オデッセイなど7万台リコール(毎日・27面)
●フェラーリ、シューマッハ仕様2800万円、限定一台ネット販売(産経・10面)
●三菱自/本社機能分散も浮上/再建策きょう発表(東京・8面)
●業界全体の信頼揺らぐ、自工会小枝新会長が懸念(東京・8面)
●三菱自動車、JPモルガンが出資へ(日経・1面)
●ディーゼル車、欧州販売、ホンダ自社製搭載4車種(日経・1面)
ひとくちコメント
三菱ふそうトラック・バスのビルフリート・ポート社長が記者会見し、三菱自動車製トラックのクラッチ系統に欠陥があることを8年前に社内で把握しながら、充分な対策をとらず、死亡事故を引き起こした可能性があることを認めた。きょうの日経を除く各紙が1面トップで大きく掲載している。
「またか」(毎日)という見出しがあれば「目を覆う隠ぺい、再建試練」など、マスコミの見方も厳しさを増している。しかも、「これで問題は出尽くしたのか」という記者の質問には「調査中なのでまだ何も言えない」とポート社長は答えている。
読売などの記事では、逮捕されている「宇佐美隆容疑者が報告を受けながら放置していた」などと報じているが、筆者の記憶では96年当時の塚原薫久社長はうつ病が悪化しており、経営の実権は会長職の中村裕一氏が握っていた。
しかも、その翌年には総会屋利益供与事件が発覚している。社内での派閥争いもエスカレートしていたのもこの頃だ。ポート社長が「何とも言えない」というセリフはこれで「打ち止めではない」という意味だろう。