日産『JIKOO』(ジクウ)はオープン2シーターのコンセプトカー。日産創立70周年にあたり、江戸開府400年事業に参加する目的で製作された。江戸の伝統工芸で作られたクルマには江戸の街を仮想ドライブできる機能を備えた。
ジクウの名とおり時空を超えることをコンセプトとし、1930年代の初代ダットサン『ロードスター』を原型としてコンパクトにまとめ、随所に江戸の伝統技術をちりばめた。
伝統工芸職人による純銀の叩き出しで作られたフェンダー部。リアコンビネーションランプとフロントグリルフィッシャーは江戸切子のイメージを実現している。「伊達で粋」なインテリアには、漆塗りのドアトリム、水牛の角を素材に江戸べっ甲の張り合わせ技術で作られたステアリングホイールなどをあしらっている。
また、ジクウには江戸の街を“ドライビング”できるよう、江戸時代の地図や街の風景を表示する「江戸ナビ」を装備し、運転席には現代の地図、助手席のモニターには過去を表示する仮想タイムトラベルを実現している。
なお、ジクウのパワーユニットはバッテリーによって駆動されるモーター。現在のところ市販化などの予定はない。ふんだんに伝統工芸技術を使っているため、車両にかけたコストも相当なものになっているという。