気になるニュース・気になる内幕——今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2002年7月17日付
●トヨタ、系列証券に給与口座、将来は社外も、個人金融に本腰(朝日・1面、解説・11面)
●首都高じゃまいも渋滞、衝突でジャガイモが散乱(朝日・39面)
●新社長2002「これをやる」ルイス・ブースマツダ社長「販売力アップ、小型車改良を弾みに」(読売・8面)
●産業構造審議会会長に奥田碩・日本経団連会長選出(読売・9面)
●追跡「道路公団改革」列島走る「集票道路」(産経・1面)
●2002新社長、仲村巌・日産ディーゼル社長「不安解消し再建図る」(東京・9面)
●いすゞ、タイ生産倍増、月1万台、シェア5割狙う(日経・13面)
ひとくちコメント
トヨタ自動車が、全額出資する証券会社「トヨタファイナンシャルサービス証券」で社員の給与振り込みを今秋にも始めると、きょうの朝日が1面トップで報じている。UFJ銀行との提携で実現したもので、サービスはまず約6万6000人のトヨタ社員の希望者を対象に始め、将来はグループ企業やトヨタ以外の社員にも広げるという。
自前主義のトヨタが社員の給与まで、郵便局や都銀などに預けずグループ内の金融機関で運用するわけだ。朝日の解説記事によると、金融のリテール部門で都銀など同等の「窓口」を手に入れることになり、ペイオフ解禁などで「マイバンク」の選別が進むなか、トヨタは高い信用を武器に金融事業の拡大を狙っているという。
豊富な余剰資金を抱えていることから“トヨタ銀行”とも呼ばれていたが、トヨタの金融事業は全営業利益の1割も満たないのが現状で、金融事業を最大の成長分野と位置づけてきたフォードやGEなどに比べると、大きな差がついていた。トヨタが個人客の金融サービスに本格参入することで、銀行や郵便局は戦々恐々だろう。