21日に議会・下院で行われた公聴会で、ファイアストン社から証拠として1本のビデオテープが提出された。このビデオテープは、CBS、CNNなどの大手ニュースネットワークにも提供され、その一部がテレビでも放映されている。
ビデオに映し出されていたのは、ファイアストン社が事故状況として記録・保存していたフォード『エクスプローラー』の映像。その中でも注目されるのは、ベネズエラ国内で記録されたという横転事故の模様だ。フォードのジャック・ナッサーCEOが「一件もない」と公聴会で繰り返していたグッドイヤー製タイヤを装着したエクスプローラーがドレッド面の剥離を起こし、路外転落を起こしていたのである。つまり「一件もない」は、この時点で嘘となってしまった。
このビデオと同時に、ファイアストンでは事故発覚時に集めたというサウジアラビアと、ベネズエラのフォードディーラー責任者のコメントも提出した。そのコメントによれば、両者とも「問題はタイヤの空気圧だけではなく、もっと根本的な面での改良を要す」と、フォードに対して進言しているという。ファイアストンでは、この「根本的な面での改良」を「エクスプローラー自体の構造上の欠陥だ」を指摘したものだと証言した。