トヨタ自動車労働組合は、今春闘の賃上げ交渉で、ベースアップ(ベア)を要求しない方針を固めた。同労組のベア要求見送りは2年連続。
ホンダと関連企業の労組で組織する全国本田労働組合連合会は、今春闘での統一ベースアップ要求を見送る方針を正式に決めた。これで本田労連の統一ベア要求は2年連続で見送られることになる。
日産自動車系労働組合で組織する日産労連は、今春闘の賃上げ要求方針を1000円にすることを決めた。同労連が1000円のベースアップを要求するのは、これで3年連続となる。
自動車総連が、2004年春闘で昨年に続いてベースアップ(ベア)を統一要求しないことを決めた。
自動車産業の労組で組織する自動車総連は、東京都内で、中央執行委員会を開き、04年春闘では03年春闘に続いて、2年連続で統一したベースアップを要求しない方針を決めた。来年1月の中央委員会で正式に決定する。
自動車総連が先週末までの春闘交渉状況を取りまとめた結果、ベースアップを獲得した傘下組合が31にのぼっていることが分かった。2003年春闘は産業界全体で「ベアなし春闘」となったが、自動車業界では日産自動車や同社系の部品メーカーなどを中心にベアを獲得したところが多く、労組側の予想外の健闘ともなった。
トヨタ自動車が今春闘で組合と合意していた「特別支給金」(組合員平均6万円)が4月25日の給料日に支給されることになった。社員にとっては、うれしい春のボーナスとなりそうだ。ただし、管理職は対象外となる。
経営再建中のいすゞ自動車は、一時金(要求5.0カ月)が昨年と同じ2.8カ月と、自動車メーカーでは最も低い水準で決着した。加えて会社側は春闘交渉とは別に、昨年4月から実施している基準内賃金の7%カットを、2003年度から2年間延長するよう提案した。
トヨタ自動車など大手3社以外の一時金回答では、業績が堅調な富士重工業(スバル)が昨年と同水準の5カ月プラス5万円で満額回答となった。また、満額には至らなかったものの経営再建に一定の進捗があったマツダ、三菱自動車工業、日野自動車が、いずれも昨年実績を上回った。
2003年春闘で、ホンダは年間一時金6.5カ月の要求に対して0.1カ月少ない6.4カ月とすることを労組に伝え、事実上妥結したことを明らかにした。国際競争力の低下を懸念、前年並みの回答で、満額回答のトヨタ、日産と比べて差がついた格好だ。
春闘の一斉回答日である12日、自動車総連は2003年生活闘争についての談話を発表した。拡大戦術会議登録組合を中心に、賃金カーブ維持分の定昇を確保する見通しで、自動車業界の優位性を改めて示したかこうだ。
自動車春闘の集中回答日である12日、各社で一斉に回答が示された。大手3社では前日までにトヨタ自動車、日産自動車が賃上げ、一時金ともに満額で決着していたものの、一時金のみの交渉となるホンダは、要求の6.5カ月に対して6.4カ月の回答となった。
トヨタ自動車は、2003年春闘で、組合側の要求を成果配分を含めて満額回答することが明らかになった。日産自動車がベア含む満額回答したことで「このままでは従業員のモチベーションに影響する」と判断、成果配分も過去最高の一時金も満額で回答する方針を固めた。