日産自動車の2009年春闘回答は、平均賃金改定原資を確保、賞与(一時金)は4.2か月となった。原資のうち、一般企業のベースアップにあたる賃金改善分は0円、定昇にあたる6000円は維持となった。
組合の要求は、賃金改善分4000円を含む平均賃金改定原資の確保、賞与は5.2か月分だった。
日産自動車の川口均常務執行役員(人事部/ダイバーシティディベロップメントオフィス担当)は18日の記者会見で「労使痛み分けの内容」と述べた。賞与は31%の減額となるが、従来、赤字決算での賞与は最大4.0か月分で、これを0.2か月上回る数字を回答した。
川口常務執行役員は、今春闘では「モチベーションの維持」を重要視したという。「定昇や一時金の重要度は日本独特の慣行、文化であり、これはベースとして維持したい。トータルのパッケージとして勘案した」という。いっぽう世界展開する企業として、国内外で不公平が内容にも考慮したという。
「100年に1度の難局に当たって、会社をどう生き残らせるかを第一に考えた。ところが組合は雇用の確保を要求した。交渉は溝のあるところからスタートしたが、組合も会社の困難を認識でき、協力関係を再確認できた」と川口常務執行役員。