自動車メーカーの2005年一時金交渉は、16日夕刻までトヨタ自動車など8社の妥結が固まり、いずれも組合の要求に対して満額回答となった。
経営再建中の三菱自動車工業の年間一時金交渉は16日、組合側が要求していた3.0カ月の満額で決着した。組合員平均では91万1000円となる。
自動車各社の2005年春季賃金交渉は16日午前から回答が始まり、日産自動車は組合側が要求していた6.2カ月分の年間一時金について、満額回答となった。昨年の6.0カ月に続いて過去最高での決着となった。
トヨタ自動車の年間一時金交渉は、組合側の要求に会社が満額回答することが15日決まった。トヨタ労組は、今年の一時金について昨年を9万円上回る組合員平均244万円(5.0カ月プラス62万円)を要求していた。額は2年ぶりに最高となる。
トヨタ自動車は、今春闘で焦点となっている一時金(ボーナス)を満額回答する方針を固めた。一時金の満額回答は6年連続で、過去最高となる。
ホンダの年間一時金は、組合側が要求していた6.4カ月分(組合員平均239万1000円)の満額で決着することが固まった。14日までに会社側が満額回答の意向を組合に伝えたもので、2002年以来3年ぶりの満額決着となる。
マツダは、今春闘の労働組合の要求を経営側が満額回答して妥結したと発表した。自動車業界の集中回答日は3月16日だが、異例の早期満額回答で妥結した。
三菱自動車の労組、三菱自動車労働組合は、今春闘での年間一時金の要求額を過去最低となる3.0カ月にすることを決定した。ベア要求も3年連続で見送る。16日に要求を会社側に提出する。
自動車大手3社の年間一時金要求方針について、各労組執行部案が31日までに出揃った。2005年3月期の連結業績が5期連続で最高益となるトヨタ自動車は、5.0カ月プラス62万円(244万円)と前年実績を9万円上回る過去最高の要求となる。
日産自動車労組は26日までに、春の賃金交渉で6.2カ月分の年間一時金を要求する執行部案を決めた。機関決定したうえで、2月16日に要求を提出する。
日産自動車グループの労働組合、日産労連は、今春闘でベア1000円を統一要求することを決めた。日産労組が4年連続でベア1000円を要求する可能性が高まった。
トヨタ自動車の2005年春季賃金交渉は、3年連続でベースアップ要求が見送られることとなった。ただ、定期昇給に相当する「賃金制度維持分」が引き上げられるほか、年間一時金も過去最高となる見込みで、連結純利益が1兆円を突破する同社の業績が反映される。
奥田碩・日本経団連会長(トヨタ自動車会長)は定例会見で、来春闘の見通しについて触れ、「個人的な考えだが、賃下げは出てこないと思う」と述べ、ベースダウンを強く打ち出しきたこれまでの春闘とは経営環境が異なるとの認識を示した。
日産自動車は、春闘の集中回答日となった17日、経営側が賃金引上げ、一時金ともに労働組合側の要求を満額回答し、妥結した(既報)。
自動車メーカーの2004年春闘交渉は、一時金で大半の企業が満額回答となったが、支給額ベースでは今年もホンダがトヨタ自動車を上回る決着となった。ホンダの方が組合員の平均年齢が2.5歳高いという事情があるものの、その差は昨年より拡大している。