【新聞ウォッチ】春闘11…自動車労組“自主規制”、賃上げ要求は日産のみ

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宮城新工場開所式
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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2011年2月17日付

●インド、IT機密開示要求、メーカーに義務化、日米欧は反発(読売・1面)

●2011春闘、転機の車、厳しい交渉、補助金終了、新興国との競争(読売・10面)

●トヨタ新工場開所式、17年ぶり、新方式でコスト削減(読売・10面)

●高速道路新料金、統一選控え「バラマキ」財源2兆円を先食い(読売・10面)

●究極の工場にもジレンマ、トヨタ、最新鋭の系列宮城工場を公開、コスト削減へ切り札、雇用維持と両立難問(朝日・12面)

●社説:高速新料金、問題だらけの値下げだ(毎日・5面)

●高速新料金、平日上限2000円、4月から、ETC、現金払いともに(産経・1面)

●「歩」遅ければ「青」延長、警視庁が横断歩道信号を改良(産経・24面)

●23区リーマン余波は、IT苦戦・渋谷、製造健闘・台東、太田(東京・1面)

●大型車、車輪脱落2〜3月集中、冬タイヤ装着ミス原因か(東京・1面)

●社説:トヨタ「安全」危機管理に完璧はない(東京・5面)

●日印EPAに署名、自動車業界に追い風、先行の韓国と同条件に(東京・9面)

●パナソニック、パソコン電池を電気自動車転用、郵便集配1000台分、低価格で供給(日経・1面)

●「ルノー・日産と提携順調」10〜12月、ダイムラー黒字転換(日経・7面)

●ガソリン価格4カ月ぶり下落(日経・10面)

●ホンダ今期、自社株買いの拡大検討、総配分性向3割メド(日経・13面)


ひとくちコメント

トヨタ自動車など大手自動車メーカーやパナソニックなどの主要電機メーカーの労働組合が2011年春闘の要求書を経営側に提出。3月16日の集中回答に向けて労使交渉が本格化する。大半の労組が賃金改善(ベースアップ)要求を見送り、昨年実績を上回る年間一時金の上積みを争点に攻防を繰り広げることになりそうだ。

きょうの各紙が大きく報じているが、大手の自動車メーカーで実質的な賃上げを要求したのは日産自動車(7000円)1社のみ。春闘相場の形成に影響力を持つトヨタ労働組合は2年連続でベースアップ要求を見送り、昨年実績を1万円上回る5カ月プラス7万円の一時金を要求。昨年の春闘では賃金改善を求めた富士重工とダイハツも、今年は見送りを決めたという。

各紙の見出しも「転機の車、厳しい交渉」(読売)をはじめ、「賃金改善求めず控えめ」(朝日)、「一時金巡り攻防」(毎日)などと、労組の中には交渉前から「定昇維持すら簡単ではない」という弱気のコメントも紹介されるなど「難航することは必至の情勢だ」(産経)としている。

組合側がベースアップを見送った背景には、自動車業界各社の業績は新興国需要で改善傾向にあるが、エコカー補助金終了の反動減に加え、長引くデフレや円高基調の定着で、依然として経営環境が厳しい状況にある。組合側が要求水準を高くし過ぎると、日産のマーチが海外生産に切り替わったように、国内の空洞化を加速させて雇用の維持ができなくなるというジレンマがあることも事実。

統一地方選挙のためなら大切な国家財源を先食いしてでも高速道路料金を値下げするという民主党政権のような無鉄砲さは、今の労使にはみられない。それを喜ぶべきなのか、悲しむべきなのか。その答えが出るのはもう少し先になりそうだ。
《福田俊之》

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