
【池原照雄の単眼複眼】日産がスズキに見せる「忍耐と謙譲」
日産自動車がスズキと業務提携を拡大することで合意した。日産が一方的に調達していたOEM供給を相互に、かつ国内外に広げるとともに、海外工場での受・委託生産も行う。日産は4車種目となる念願の軽自動車を年末から調達する一方、時期は未定だが成長市場インドへの本格参入に当たり、スズキの工場に日産車を生産委託する。

【池原照雄の単眼複眼】常識を破るいすゞの「統合開発」
いすゞ自動車が年内に、「次世代グローバルモデル」として開発中の中小型トラックを売り出す。これまで、トラックは積載量に応じて個別に開発するのが常道だったが、統合開発によって大胆な部品の共通化を進めた。

【池原照雄の単眼複眼】ディーゼルも強化するホンダの環境戦略
ホンダは先週、環境対策の新たな自主目標を設定したことを明らかにした。CO2(2酸化炭素)排出の低減を、製品と生産活動の両面から2010年までの10年間におおむね10%低減するというものだ。ガソリンエンジン主体で来た同社のパワートレインが多様性をもつことになる。

【池原照雄の単眼複眼】富士重 次期社長は営業も分かる技術屋
富士重工業のトップ交代は、マスメディアがノーマークのなかでの発表となった。竹中恭二社長(59)は取締役相談役となり、後任には常務執行役員の森郁夫氏(58)が内定した。竹中社長は2年前から密かに森氏を後任に定め、社長業を意識したキャリアを積ませて来たという。森氏にトヨタ自動車との提携という新時代のスバルを託す。

【池原照雄の単眼複眼】マツダ、台数削ってブランド強化と格闘
マツダの業績回復が順調だ。2006年3月期は連結営業利益が初めて1000億円を突破、2期連続の最高益となった。3カ年中期計画の最終年となる2006年度は、余勢を駆って「攻め」の一手と思われたが、中計の販売目標達成はあっさりと先送りした。

【池原照雄の単眼複眼】純利益ランキング---収益力も世界を圧倒する日本勢
大型連休をはさんで日本企業は、過去1年の成績表である決算を発表中だ。自動車各社もこれまで7社の発表が終わっているが、5社が最高益を更新するなど「絶好調」と言える状況。そこで世界での日本メーカーのポジションを探るため、円換算による純利益ランキングをまとめてみた。

【池原照雄の単眼複眼】トヨタ、ハイブリッド100万台は2012年
トヨタ自動車がハイブリッド車の普及でより明確な目標を立てた。これまで渡辺捷昭社長が「2010年代の早期」としてきた年産100万台突破の目標を2012年と掲げたのだ。同年にはレクサスを含むトヨタ車の1割近くがハイブリッド車となり、後年に振り返ればクルマのパワートレインの一大転換期だったということになろう。

【池原照雄の単眼複眼】海外生産が1000万台突破。で、日本市場は?
2005年の日本車の海外生産が初めて1000万台に達した。これは同年の国内生産約1080万台に匹敵する規模であり、来年には内外生産の逆転も確実だ。欧米の自動車産業大国でも前例のない「グローバル分業」が確立されたわけであり、21世紀の日本車の持続的な成長力を展望させる。

【池原照雄の単眼複眼】内需争奪戦の06年度がスタート
国内の新車需要が伸び悩むなかで幕を開けた2006年度は、各社のシェア争奪戦が一段と激化する様相だ。海外に比べて不振が目立つトヨタ自動車の巻き返しや、国内営業体制の改変に動く日産自動車とホンダ、登録車からの需要シフトで市場が拡大する軽自動車での首位争いなど、近年になく攻防の材料が揃っている。

【池原照雄の単眼複眼】ホンダ、寄居新工場に アキュラ 専用ライン?
ホンダが埼玉県北部の寄居町に、国内では30年ぶりとなる量産工場の進出を計画し、車両組み立てラインの新設も検討されている。これは、2008年秋から国内展開する「アキュラ」を主体にした上級車の専用ラインとなる可能性がある。また福井社長は、埼玉製作所狭山工場(狭山市)との連動で、新たな生産体制を構築する可能性を示唆している。