【池原照雄の単眼複眼】マツダ、台数削ってブランド強化と格闘

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◆中期計画の世界販売達成を先送り

マツダの業績回復が順調だ。2006年3月期は連結営業利益が初めて1000億円を突破、2期連続の最高益となった。3カ年中期計画の最終年となる2006年度は、余勢を駆って「攻め」の一手と思われたが、中計の販売目標達成はあっさりと先送りした。フトコロに余裕が出た分で台数を追うのでなく、出遅れている北米できっちりとブランド力を高めようという戦略だ。

井巻久一社長は、中計「マツダモメンタム」の最終年となる今年度の課題の第1に「ブランドの更なる強化」を挙げた。マツダモメンタムでは2年目の05年度に、営業利益と有利子負債の圧縮について前倒しで達成。残るは125万台と掲げていた世界販売(出荷)のみとなっている。しかし、今年度の計画はあえて121万台とし、来年度以降に先送りした。


◆2兎は追わないという明快な決断

ブランド力の強化と実力以上の販売増は相容れないという単純にして明快な決断を下したのだ。マツダは欧州ではホンダと互角以上に戦えるブランドロイヤルティを築いている。しかし、フォードモーターとの「分野調整」もあって北米では平凡なその他ブランドでしかなかった。

井巻社長が念頭に置くブランド強化は、その北米市場においてである。『3』や『6』で回復してきたマツダブランドへの信認をフリート販売比率の低下やインセンティブの削減で更に高めていく。

レンタカーやリースなど法人向け販売であるフリートは、手っ取り早く台数を稼げる。しかしそのツケは、リースアップした車両が中古車市場に出回る数年後にやってくる。多大なインセンティブで安売りされたクルマも同じ。


◆「その他ブランド」を脱する道筋

米国では中古車価格で示される「残存価値」へのユーザーの関心は高く、フリートとインセンティブはその価値の低下を通じてブランドを毀損する手法となる。米国でのマツダのフリート比率は05年度に12%と過去4年間で3ポイント下げたが、今年度は2ケタを割る水準を目指すという。

インセンティブも今年3月実績の台当たり1900ドル台から「更に削減する」(井巻社長)方針だ。米国市場では5月から新SUVの『CX-7』を投入、07年初めには1クラス上の『CX-9』も発売することから、今年度は大幅な上乗せが期待できる。

ただ、井巻社長が打ち出した米国の販売計画は3万台弱の増加。フリートとインセンティブの削減は何としてもやり遂げるという数字だ。これを確実に進めれば、「MAZDA」が「その他ブランド」群からひとつ抜きん出る足掛かりになる。
《池原照雄》

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