【池原照雄の単眼複眼】富士重 次期社長は営業も分かる技術屋

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◆当初から5年を区切りに

富士重工業のトップ交代は、マスメディアがノーマークのなかでの発表となった。竹中恭二社長(59)は取締役相談役となり、後任には常務執行役員の森郁夫氏(58)が内定した。竹中社長は2年前から密かに森氏を後任に定め、社長業を意識したキャリアを積ませて来たという。

自らは、リーダーを「明快にするため」空席の会長に居座ることもなく、相談役に退く。同じ生え抜きで、技術も営業も分かる森氏にトヨタ自動車との提携という新時代のスバルを託す。

竹中社長は、当初から5年が区切りと考えていたという。本人が「思いもしなかった」社長業は、端から見ていると楽しいようでもあり、時として重荷にも見えた。


◆不発だった提携

米GM(ゼネラルモーターズ)との提携はお互い実りのあるものとはならず、同じGMファミリーだったスズキとの軽自動車での部品共通化なども進展は見られなかった。スズキの鈴木修会長は「富士重工さんは芸術的な商品をつくられるから」と、協業が進まなかった原因を揶揄する。

スバルらしさを追及する余り、提携先との協業効果を相容れないというところはあった。竹中社長のリーダーシップの限界といえば限界だろうが、板ばさみに悩むコメントを何回か聞いたことがある。

最後の1年はGMとの資本提携解消とトヨタとの提携といった激動だった。業績が比較的好調のなかでの就任だったが、自分の任期に合わせた5カ年の経営計画は2度の下方修正を余儀なくされた。率直さは時として経営者にはマイナスなのかも知れないが、『R2』など軽自動車については、マーケティング力の弱さを認めた。


◆トヨタを学ぶうえでも最適の人材

後任の森氏は、竹中社長と同じ技術畑出身であるものの生産管理など製造部門が主体。米工場であるSIAの立ち上げ時には現地に赴任している。トヨタ車の受託生産を通じてトヨタ生産方式の何たるかを理解するうえでも最適の人材だ。国内外の営業部門も経験している。

森氏は「当社は技術優先でいい」としたうえで、「ただし、お客様第一と言いながら、その声を汲み取る組織にはなっていない」と自らの課題を指摘する。森氏には国内外の販売回復やトヨタとの提携推進など難しい舵取りが求められるが、スバルをどう変えていくのか数年後が楽しみである。
《池原照雄》

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