【池原照雄の単眼複眼】内需争奪戦の06年度がスタート

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軽シフトで大手3社が苦戦

国内の新車需要が伸び悩むなかで幕を開けた2006年度は、各社のシェア争奪戦が一段と激化する様相だ。海外に比べて不振が目立つトヨタ自動車の巻き返しや、国内営業体制の改変に動く日産自動車とホンダ、登録車からの需要シフトで市場が拡大する軽自動車での首位争いなど、近年になく攻防の材料が揃っている。収益への貢献度が低いとはいえ、国内でシェアを落とすようだと足元からの瓦解が始まる。新年度は「内需争奪戦」の年だ。

05年度の国内新車需要は、前年度比0.7%増えて586万台余りと、2年ぶりにプラスとなった。しかし、登録車は3年連続で減少、年度ベースでは6年ぶりに最高を更新した軽自動車が総需要の増加を支えた。

トラック専業を除く8社9ブランドの販売実積(別表)によると、トヨタなど大手3社は小幅ながら揃ってマイナス。登録車、軽自動車ともに不振のスバル(富士重工業)は2ケタの減少となった。

別表
乗用車メーカーの05年度国内販売実績
順位:ブランド/販売台数(前年度比)
1:トヨタ 171万9050台(−2.1%)
2:日産 84万2134台(−0.7%)
3:ホンダ 70万9781台(−0.1%)
4:スズキ 70万4070台(+6.6%)
5:ダイハツ 60万5600台(+3.2%)
6:マツダ 28万5128台(+0.3%)
7:三菱 25万6228台(+13.0%)
8:スバル 24万6400台(−10.1%)
9:レクサス 1万5936台(---)

◆「周年」キャンペーンで攻勢に出るトヨタ

対照的に販売を伸ばしたのは軽自動車でトップ争いを続けるスズキとダイハツだ。『スイフト』のヒットで登録車も11%伸ばしたスズキは、3位のホンダに5000台余りまで肉薄した。また、年度半ばで計画を上方修正した三菱自動車は、2ケタ増で修正計画通りの実績となり、04年度のテールエンドから脱した。

トヨタは昨年8月末に販売開始した「レクサス」を合わせても1.2%の減少。軽自動車への需要シフトに最強販売網も苦戦している。ただし、今年はトヨタ店60周年、トヨペット店50周年、『カローラ』が発売40周年の節目を迎え、すでに記念特別車の投入も始まった。「VI」(ヴィジュアル・アイデンティティ)による店舗の刷新も進め、一大攻勢の年となる。

ホンダは3月に約20年続いた3系列の販売網を一本化、全店全車種扱いとした。その効果に「時間はかからない」(福井威夫社長)と見ていたが、実際に同月は前年を7%上回る実績をあげ、長期の低迷から脱する糸口を掴んだ形だ。

◆2ケタ減から脱せない日産の反攻は?

日産も7月に連結子会社の52販社を新設の「日産ネットワークホールディングス」傘下として資産も移管。販社は販売とアフターサービスに専念する大改革を行う。

同社は昨年9月までの「世界100万台増販」の反動により、登録車は3月まで6カ月連続の2ケタ減と疲弊しきっている。世界販売のほぼ4分の1を占める国内をこのまま放置すれば、現行の中期計画達成もおぼつかなくなる。カルロス・ゴーン社長がいつ「反攻」のサインを出すか注目される。

さらに、新再生計画2年目で一段の販売回復を狙う三菱、主力車『レガシィ』の大幅改良や軽の新モデル投入で失地回復を図るスバルなど、各社ともそれぞれ「負けられない事情」を抱え、新年度の販売戦線に乗り出した。

《池原照雄》

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