どうにも昔からジャガーって苦手なのよ。この「クラシカル」って雰囲気、「ジェントルマン」って雰囲気、なんかイヤなんだよねぇ。でもまあ昔のXJ6はよかった。ダブルシックスはよかった。どう見ても別世界のヒタヒタ感、しっとり感があったからさ。
あのですね。きっと世の高級セダンをお求めの方はこういうクルマが欲しいんでしょう。「ジャガーの皮を被ったベンツ」いや「ジャガーの皮を被ったアウディ」。まさしくそう、そんな感じになってます。
いやはや「つくづくお金持ちのキモチわかってんなぁ」って感じ。ホント、イヤらしい、イヤらしいくらいにキモチいいんです。SクラスやEクラスに「ベンツらしい凄さ」を感じなくなった今、これが一番ベンツらしい頂点のクルマなんじゃないでしょうかね。
やっぱポルシェって素晴らしいわ。とくに911。昔に比べて格段に静かになったフラット6は、滑らかかつパワフルで文句の付けようのない出来だし、ボディ剛性も高く、足は硬めだけど乗り心地は良好。スポーツカーとしては最高レベルでしょう。きっと。
正直、6シリーズの次に見ちゃうとジミです。だけどフラッグシップとして考えると、これまたたまらなくマニアックかつアバンギャルドだと思うんだよね。760Li。
とにかく非常に凝った作りなのよ。このクルマ。誤解されがちだけど昔からBMWの本質は「マニアックさ」にあったりする。それはね。一般ウケする3シリーズに乗ってるだけじゃ100年たっても分からない世界。
なななんすか〜コレ。1000万円オーバー級でしかも上品なアウディ・ブランドで、こんなにギリギリ、サディスト向けのクルマがあるなんて。つくづくドイツ人って「本質はヘンタイなのでは?」と思わせるつくりです。
エレガンスの極致を行くゆるいボディ。エレガンスの極致を行くフワンフワンなサスペンション。エレガンスの極致を行くスローなステアリング。それでいてエンジンはスーパーチャージャー付きで暴力的。
新型XJって、レーシングドライバーがこぞって絶賛してるじゃない。そういうクルマって、俺が乗るとたいていすんごくつまんないんだけど、まさにこれがそう。
いいっすこれ‥‥。もんのすごくワルで。「私はワルです」って宣伝しながら走ってるようなもんだもん。スバラシイよ!