あのですね。きっと世の高級セダンをお求めの方はこういうクルマが欲しいんでしょう。「ジャガーの皮を被ったベンツ」いや「ジャガーの皮を被ったアウディ」。まさしくそう、そんな感じになってます。XJR。
あのですね。一番重要なステアリング・フィールはかなりジャガーっぽいです。軽く滑らかで思い通りにノーズは方向を変える。それから着座位置もワリと低めでスポーティ。
だけどさ。ステアリングホイール自体はけっこう太めで品がないし、V8エンジンもね。そこそこ滑らかなんだけど、立ち上がりが急だし、回転が上がっていくつれてスーパーチャージャーが効くのか「ウィーン」とガサツなメカ音。
あとですね。ボディの感じがやっぱりドイツ車風なのよ。オールアルミになったって触れ込みで、確かに軽い感じはするんだけど、ガチっとした剛性をヒシヒシと感じ、そのおかげでタイヤはバタバタとボディの下で無理やり抑え込まれてるよう。昔みたいにボディ全体でショックを受け止め、「いなす」って感じはほとんどない。
ダイレクトは確かにダイレクト。でも「しなやかさ」はほとんど感じない。時代の流れっちゃ時代の流れなんでしょうけど……。