スバらしい。じつにスバらしい出来ではあーりませんか。645Ci。とにかく非常に凝った作りなのよ。このクルマ。誤解されがちだけど昔からBMWの本質は「マニアックさ」にあったりする。それはね。一般ウケする3シリーズに乗ってるだけじゃ100年たっても分からない世界。
まずさぁ。スタイルがキテるじゃない。例のチーフデザイナー、クリス・バングル氏の趣味である「おサカナ路線」を究極まで膨らませた風で、正直、付いていけないところもあるんだけど、ポリシーを貫いてる! のはよくわかるでしょ。ヘッドライトが妙に離れ過ぎてほとんど「サメ」って感じだけどね。リアシートもボディサイズを考えるとバカバカしいほど狭いんだけど、その割りきりが潔い。
一番の驚きは「走りへのこだわり」。全長4830mm、全幅1855mm、1.7トン強のクーペとしちゃ巨大サイズ&重量をほとんど感じさせない。独自のアクティブ・ステアリングやダイナミック・ドライブが効いてると思うんだけど、この「これみよがし」でないハイテクがBMWっぽいね。とにかく全域で通好み。普通の人にはよく理解できないところが、ヘンクツなお金持ちBMWファンにはウケるのでは?