20cm以上も長くなった新型『Aクラス』。おかげで後席にまともに座れるようになった。そのいっぽう「あんな偉そうな名門が、こんな小型車まで!」と世間を驚かせた先代のような事件性はない。あちらを立てればこちらが立たず、ツラいところだ。
2代目のスタイリングも、さすがに納得のゆくものだ。ショートノーズのモノボックスをかっこよくデザインしてしまうあたり、メルセデスの実力を感じる。
3.6mの全長で何ができるか……という初代モデルが掲げた崇高なコンセプトはいったいどこへやら(!?) ボディ大幅延長で当然、そのぶん後席レッグスペースにもタップリとした余裕が生まれたのが2代目の『Aクラス』だ。
『Aクラス』も、みるからにひと回り大きくなって車格を増した。メルセデス流の高質感も注がれている。
初めてステアリングを握った直後は、なんだかベンツのダシガラみたいなクルマだなぁと思った。けれども、数日乗っていると、いいクルマだなぁと感じるようになった。
何のためにハイブリッド化するのか? このクルマの場合は「狭い領域に限定されるにせよ、エネルギー効率が向上する」というハイブリッド動力システムの本質を求めてのものではない。
現行『5シリーズ』から、BMWのクルマづくりは大きく変質し、一気に伝染しつつある。
エクステリアデザインもなかなかよいが、メーターパネルなどインテリアデザインもいかにもハイブリットカーらしく、ハイテク感があっていい。
デザインもアクが強すぎず、スッキリとしていてスポーティだ。インテリアもBMWらしい品のよさと端正な雰囲気で魅力的。
ハイブリッドのSUVだと? そんなもん走るのかよ! と思いたくなるけれど、コイツがじつに元気に走るから驚き。半端なSUVなんて、軽く蹴散らす勢いなのだ。