「心の豊かさを知っている方々のための、ライフスタイルをより豊かにするクルマ」として、14年ぶりに復活したメルセデス『Eクラスクーペ』。そのインテリアの特徴をメルセデス・ベンツ日本副社長上野金太郎さんはこう語る。
「普通、アームレストとして使える範囲はカップホルダーなどがあり少ししかありません。しかし、今回は、腕を下ろしたら長い範囲で使ってもらいたいと考え、通常よりもシフトレバー側に長く伸ばしました」
アウディ『A5カブリオレ』のインテリアは、ドライバーを中心に考えたスポーティでビビッドなデザインを採用しているという。
「レクサス『HS250h』のインテリアは、今までとはかなり違うと思います」と話すのは、デザイン本部レクサスデザイン部グループ長平中伸一さん。
ホンダは「Interfaceに対するこだわり」というデザインのキーワードがある。簡単にいうとインテリアにおける人と空間の関係性という意味だ。そしてそのInterfaceにおいて、2000年ぐらいから「瞬間認知」「直感操作」という考え方で開発を進めてきているという。
ホンダは1980年代から90年代にかけて『Concept Oriented』という方針でデザインを進めてきた。「その時はあまりスタイリング技術そのものについては、力を注いで来ませんでした」と話すのは本田技術研究所常務取締役四輪R&Dセンターデザイン開発室室長海老澤伸樹氏。
レクサス『HS250h』は「L-finesse」というレクサスのデザインフィロソフィをもとにデザインされている。L-finesseとは、Leading-Edge(先鋭)とFinesse(精妙)を組み合わせた造語。「先鋭 - 精妙の美」。
アウディ『A5カブリオレ』のルーフは流行のハードトップではなくソフトトップを採用している。「アウディの場合はあくまでもデザインを重視するためにソフトトップを採用しています」と話すのは商品企画部長青木徹さん。
ホンダのDNA(ダイナミズムとファンクショナリティ)をベースとして、四輪デザインのキーワードは3つあると話すのは本田技術研究所常務取締役であり、四輪R&Dセンターデザイン開発室室長の海老澤伸樹氏。
1963年、ホンダは2つのクルマを発売した。ひとつは『T360』と呼ばれるトラック。次いで、『S500』。最初にこの2つを作ったというのが、まさにホンダのDNAとしてホンダの考え方を象徴している---。