ヤマハ発動機は10月6日、独自技術のオールアルミ製シリンダー「DiASil(ダイアジル)シリンダー」の原材料を、従来のバージン材からリサイクルアルミ合金へ順次切り替えると発表した。
DiASilシリンダーを採用する全製品への切り替えが完了する2030年には、年間約4万7000トンのCO2排出量削減効果(試算)を見込んでいる。
◆世界初のオールアルミ製シリンダー
DiASilシリンダーは、鉄スリーブやメッキ処理を必要としないオールアルミ製シリンダーだ。ヤマハ発動機独自の製造技術により、2002年に世界で初めて開発・実用化に成功した。現在は同社のさまざまな二輪車製品に採用されており、耐摩耗性・耐焼き付き性・放熱性に優れるほか、軽量化やリサイクル性の向上、製造コストの低減にも貢献する技術だ。
これまでDiASilシリンダーの原材料にはバージン材のアルミ合金を使用してきた。従来のリサイクル材は微量の不純物を含むため、金属組織や表面性状、耐食性などの点でDiASilシリンダーに求められる品質基準を満たすことが困難とされてきた。
この課題を解消するため、同社はバージン材と同等の部品機能を持ち、同じ工程で製造できるリサイクルアルミ合金の開発に着手。熱力学計算による材料設計をベースに、台上・車両評価を重ねることで必要な部品機能を確認し、実用化を決定した。
金属組織の比較◆インドネシアのコミューターモデルから展開
リサイクルアルミ合金を採用したDiASilシリンダーは、インドネシアで生産するコミューターモデルから切り替えを開始し、今後グローバルに展開していく計画だ。
ヤマハ発動機は「ヤマハ発動機グループ環境計画2050」のもと、2050年までにサプライチェーン全体でカーボンニュートラルの達成を目指している。その一環として、2030年までに自社製造で使用するアルミ原材料を100%サステナブル材へ切り替えることを目標としており、今回の取り組みはその重要な施策の一つと位置付けている。




