ヤマハ発動機は11月6日、2026年12月期第3四半期(1~9月)の連結決算を発表した。売上収益は前年同期比16%増の2兆2152億円、営業利益は同110%増の2352億円となり、いずれも第3四半期累計として過去最高を更新した。親会社の所有者に帰属する当期利益も前年同期の約4倍となる1734億円を計上した。
主力のモーターサイクル(MC)事業がインドやASEAN市場を中心に好調を維持したほか、ロボティクス事業も大幅に伸長。販売拡大と価格転嫁、経費削減による収益性の改善に加え、米国での固定資産売却も利益を押し上げた。
同社は通期業績予想を据え置き、2026年12月期の営業利益2600億円を見込む。期末配当予想については10円引き上げ、年間60円とする方針を示した。
◆二輪事業が牽引、営業利益率は10.6%に上昇
2026年1~9月期の売上収益は2兆2152億円と、前年同期の1兆9103億円から3049億円増加した。営業利益は前年同期の1122億円から2352億円へと1230億円増加し、営業利益率は5.9%から10.6%へ4.7ポイント改善した。
増益の最大の要因は、主力の二輪事業を中心とする販売拡大だ。
営業利益の変動要因を見ると、販売影響による増益効果は917億円。このうち販売規模の拡大が387億円、価格転嫁やリベートを含むプライシング効果が311億円を占めた。
一方、原材料費などのコスト上昇による影響は517億円のマイナスとなったが、148億円のコストダウンで一部を吸収。研究開発費の削減で113億円、販売管理費の削減で42億円の増益効果があった。
為替影響も432億円のプラスとなった。期間中の平均為替レートは1ドル159円、1ユーロ184円で、前年同期の148円、166円から円安が進んだことが利益を押し上げた。
また、米国の固定資産売却による160億円の利益計上も寄与した。一方、米国関税による営業利益への影響は187億円のマイナスとなっている。
◆インドで販売33%増、ASEANも好調…二輪事業の利益は86%増
主力のMC事業は、売上収益が前年同期比20%増の1兆4435億円、営業利益が同86%増の1750億円となった。営業利益率は前年同期の7.8%から12.1%へと大きく改善した。
世界全体の二輪車販売台数は425万3000台となり、前年同期の382万台から11%増加した。
特に成長が目立つのがインド市場だ。現地の二輪車総需要が前年同期比20%増加する中、ヤマハの出荷台数は33%増となった。
ASEAN市場も好調で、インドネシアでは出荷台数が5%増、タイでは23%増、ベトナムでは61%増、フィリピンでは5%増となった。いずれも市場全体の需要が拡大しており、ヤマハは成長市場で販売を伸ばしている。
地域別の販売台数では、アジア全体が前年同期比14%増の335万7000台と、世界販売の約8割を占めた。
先進国市場でも、北米が27%増の8万台、欧州が2%増の18万2000台と堅調に推移。一方、日本市場は19%減の5万1000台となった。
売上収益を地域別に見ると、アジアが19%増の7976億円、北米が34%増の925億円、欧州が12%増の2179億円となっている。
ヤマハ発動機は、各市場における需要拡大を取り込むとともに、価格転嫁などによる収益性の改善を継続し、MC事業としても通期で過去最高益の更新を目指すとしている。
なお、同社は11月3日にイタリア・ミラノで開幕した世界最大級の二輪車ショー「EICMA 2026」において、新型電動スクーター『NMAX E』と『XENTER E』を出展。カーボンニュートラルの実現に向けた商品展開も進めている。










