ホンダが東京オートサロン2026で世界初公開した「シビックタイプR HRCコンセプト」が注目を集めている。2027年に市販化が実現すれば、FL5型タイプRの集大成であると同時に、「GR」、「NISMO」に続く、HRCの市販車戦略を象徴するモデルとなりそうだ。
◆モータースポーツで培った技術やノウハウ
シビックタイプR HRCコンセプトは、「究極のピュアスポーツ性能」を追求した『シビックタイプR』をベースに、ホンダレーシング(HRC)がモータースポーツで培った技術やノウハウを投入し、さらなる走る楽しさを追求したコンセプトモデルだ。
現時点で市販化は正式発表されていないが、一部で2027年にも「シビックタイプR HRC」がラインナップに設定されるとの情報がある。コンセプトだけで終わるのか、それともタイプRの頂点に立つモデルへ発展するのか……。
HRCコンセプトで目を惹くのが、通常のタイプRにさらに手を加えたエアロデザインだ。フロントには大型化したセンターインテークを配置し、左右には2本のフィンを備えたエアガイドを採用。さらに前方へ大きく張り出したリップスポイラーを組み合わせるなど、冷却性能と空力性能の向上を意識した造形となっている。
ホンダ シビックタイプR HRC コンセプト◆エアロデザインが特徴
今回制作した予想CGは、シビックタイプR HRCコンセプトをベースに、市販仕様へ発展した姿をイメージした。
コンセプトモデルの雰囲気を残しながら、フロントバンパーやグリル、エアインテークを量産モデルとして成立する形に再構成。大型インテークや専用リップ、コーナーフィンによって、通常のタイプRとの差別化を図った。
リアには大型ウイングと専用ディフューザーを装着。専用ホイールやHRCを象徴するアクセントなどが採用されれば、外観でもタイプRの最上位仕様にふさわしい仕上がりとなりそうだ。
ホンダ シビックタイプR HRC の予想CG
◆ベースモデルが重要
シビックタイプR HRCが市場に投入される場合、重要なのがベースモデルだ。
入手した情報では、現行のシビックタイプRは、2026年9月にも改良を受ける可能性がある。フロントまわりやインフォテインメント、走行性能などに手が入るとみられ、HRC仕様が2027年に登場するなら、この改良モデルをベースとするだろう。
改良型がタイプRの正統進化版なら、その上に位置するHRC仕様は、空力性能やシャシーまで徹底的に磨き上げた最上位モデルとなる。登場時期を考えれば、FL5型タイプRの集大成という役割を担う。
ホンダ プレリュードHRC コンセプト◆市販車との結び付きを強めるHRC
シビックタイプR HRCの市販化への期待を高める材料もある。HRCはF1やMotoGP、SUPER GTなどホンダのモータースポーツ活動を担ういっぽう、近年は「HRC Performance Parts」などを通じ、市販車との結び付きを強めている。
さらに東京オートサロン2026では、「HRC-spec models」を新たなラインアップとして掲げ、シビックタイプR HRCコンセプトだけでなく『プレリュードHRCコンセプト』も披露した。
トヨタがGR、日産がNISMOを市販車ブランドとして積極的に展開する中、こうした動きは、ホンダがHRCをモータースポーツだけでなく、市販車の高性能モデルにも広げていく方向性を示すものといえる。
ホンダ シビックタイプR 現行(欧州仕様)◆価格は700万円?
では、市販版シビックタイプR HRCが登場するとすれば、どこまで進化するのか。
専用エアロだけでなく、HRC専用セッティングのサスペンションや強化ブレーキ、鍛造ホイール、カーボン製パーツなどが投入される可能性がある。さらに20~30kg程度の軽量化も期待される。パワートレインには、現行タイプRと同じ2.0リットル直列4気筒VTEC TURBOを継続しつつ、ECUや吸排気系を最適化すると予想。現行型の最高出力330psから340ps前後まで引き上げられるかもしれない。
価格についても通常のタイプRを大きく上回り、700万円前後まで上昇する可能性がある。世界的なタイプR人気を考えれば、限定車として登場した場合には争奪戦となるだろう。
シビックタイプR HRCコンセプトが示しているのは、シビックタイプRの単なる追加グレードではない。HRCという名前を市販車の世界でどこまで広げていくのか、その試金石ともいえる存在だ。










