日産自動車と栃木日産自動車販売は、栃木日産佐野店において2026年1月より電気自動車(EV)を活用したエネルギーマネジメントサービス「NISSAN ENERGY SHARE(ニッサンエナジーシェア)」の運用を開始すると発表した。自動車の販売店への導入としては初めての事例となる。
「NISSAN ENERGY SHARE」は、EVを「走る蓄電池」として活用し、充放電を賢く制御することで、電力ピークの抑制や電気料金の最適化を実現する法人向けエネルギーマネジメントサービスだ。
主な機能として、スマート充電による電力ピークシフト、放電マネジメントによるピークカット、再生可能エネルギーとの連携、災害時の電力供給などがある。建物の電力消費状況とEVのバッテリー残量を把握し、最適な充電タイミングを自律的に制御する。電力需要が高まる時間帯にEVから建物へ給電し、電力ピークを低減して電気料金を削減する。
栃木日産佐野店では、太陽光発電パネル(約40kW)に加え、V2H(Vehicle to Home)機器3台と普通充電器5台を導入し、試乗車を含む社有車のEV8台を同時に制御することで、店舗全体のエネルギーを最適にマネジメントする。太陽光発電と組み合わせ、昼間にEVへ充電、夜間に給電することで、RE100達成に貢献する。停電時にはEVから店舗への給電が可能で、BCP対策を強化する。
今回の導入は、2025年9月に栃木県と日産グループが締結した「電気自動車を活用したカーボンニュートラル実現に関する連携協定」に基づく取り組みだ。本協定では、各施設で再生可能エネルギーとEVを組み合わせて使用することや、EVの普及と利活用を促進することが掲げられている。栃木日産は、これらの取り組みを通じて、地域における脱炭素経営のロールモデルとなることを目指している。
日産は、サステナビリティを事業の中核に据え、よりクリーンで安全、インクルーシブな世界を目指し、商品や技術、サービスを提供している。EVの開発、販売にとどまらず、世界初のV2H市場投入や、実質再生可能エネルギー100%の「日産でんき」の提供など、EVに使用する電力のCO2排出量削減にも取り組み、クルマのライフサイクル全体で環境負荷低減を進めてきた。今後も、移動と社会の可能性を広げるさまざまな取り組みや実証を通じて、カーボンニュートラルの実現と未来のまちづくりに貢献していく。



