三菱自動車、海外人事業務のDX化でビザ申請遅延ゼロを実現…日本通運とサークレイスが支援

サークレイスが日本通運と協業し三菱自動車の海外人事業務のBPRを支援
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サークレイスは11月11日、三菱自動車工業における海外人事業務の業務改革(BPR)を支援したと発表した。

三菱自動車は現在、17か国31拠点に250名以上の海外駐在員を派遣している。従来、海外駐在員に関わる手続きは外部パートナーに委託しており、給与・人事といった機密情報を外部パートナーが社内の関係者とメールでやり取りする中で、誤送信による情報漏えいリスクが常に存在していた。

また、ビザ申請業務は特定担当者への依存度が高く、引き継ぎも難しい状態だった。関係者が多岐にわたる中で、やり取りはメールが中心となり、連絡の煩雑さから業務が滞るケースも少なくなかった。

今回の取り組みでは、サークレイスが提供する海外人事労務に特化したクラウドサービス「AGAVE(アガベ)」及び海外人事DXコンサルティングサービスに加え、日本通運が展開する「NX海外赴任ワンストップサービス」を組み合わせ、三菱自動車の海外赴任業務における標準化と可視化を実現した。

導入の決め手となったのは3点。専門性と伴走力では、サークレイスの海外人事DXコンサルティングで、国ごとに異なる手続きや複雑なフローを理解した上で標準化を支援。さらに導入時には、サークレイスと日本通運が一体となってプロジェクトを推進し、スムーズな立ち上げと定着化を後押しした。

直感的な操作性と見える化では、AGAVEの画面設計は情報を視覚的に把握しやすく、複雑な海外人事業務でも進捗をリアルタイムで確認可能。属人化を解消し、誰でも対応できる仕組みを整えられると判断した。

信頼できる連携基盤では、三菱自動車と日本通運は長年にわたり引越や赴任支援での取引実績があり、既存のパートナーシップを基盤に、AGAVEとBPOを組み合わせて「ビザ手配から引越まで一気通貫で管理できる」安心感があった。

導入の成果として、ビザ申請の遅延がゼロになり、赴任計画に影響を及ぼすリスクを解消した。進捗のリアルタイム可視化により、関係者全員が同じ情報を共有可能になり、定例会議は隔週1時間から月1回30分へと75%削減された。

メールやExcelで起きていた書類の取り違えや誤送信を防止し、情報セキュリティも強化された。AGAVE上で国別の手続きや必要書類をテンプレート化し、担当者交代時も同じフローで対応可能になった。

三菱自動車人事本部からは「ビザ申請の遅延はゼロとなり、進捗もリアルタイムに把握できるようになった。駐在員自身も能動的に状況を確認するようになり、全体の意識が前向きに変化している」とコメントしている。

今後、三菱自動車ではAGAVEと日本通運のサービスを活用することで標準化したプロセスをさらに定着させていく方針。サークレイスが提供するAI機能の活用にも期待が寄せられており、規定や過去のやり取りをAIに学習させることで、人事部内の引き継ぎや駐在員からの問い合わせに対する即時回答が可能となり、さらなる効率化と業務品質向上につながることが見込まれている。

《森脇稔》

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