ボルボトラック、居眠り運転検知システムを大幅強化 アイトラッキングカメラで安全性向上

ボルボトラックの運転者の注意散漫や居眠り運転を検知する「ドライバーアラートサポート」システム
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ボルボトラックは9月23日、運転者の注意散漫や居眠り運転を検知する「ドライバーアラートサポート」システムを大幅に強化し、11月から生産を開始すると発表した。

新システムは2つのカメラを使用する。サイドディスプレイ上部に設置されたアイトラッキングカメラが運転者の視線を追跡し、注意散漫の兆候を検知する。前方カメラは車線や路肩との位置関係から運転行動を監視し、居眠りや注意散漫の典型的な特徴を捉える。

異常が検知されると、ポップアップメッセージと警告音で運転者に注意を促す。注意散漫な運転が続く場合は、より強い音響警告とともに新たなメッセージが表示される。

ボルボトラックの交通・製品安全責任者であるアンナ・ライゲ・ベルリング氏は「数時間の運転後は集中力を維持するのが困難になる。強化されたシステムは居眠りや注意散漫の兆候をより正確に検知し、運転者と道路を共有する人々の安全を守ることを目指している」と述べた。

新システムは、EUの更新された安全法規である一般安全規則(GSR2)の要求事項をすでに満たしており、2026年7月に施行される第2段階の基準にも対応している。この基準では、EU内の全トラックに先進運転者注意散漫警告(ADDW)システムの搭載が義務付けられる。

アイトラッキングカメラは時速18km以上で作動し、システムはイグニッションオン時に自動的に起動する。法的要件により、スイッチでシステムを無効にすることも可能だ。

強化されたドライバーアラートサポートは、EU域内のボルボFH、FM(大型トラック)およびボルボFL、FE(中型トラック)に標準装備される。ノルウェー、スイス、英国などEU域外の一部市場でも標準装備となり、その他の市場ではオプション設定となる。

ボルボトラックにとって安全性は中核的価値であり、同社の主力モデルであるボルボ『FH』とボルボ『FM』は、2024年にユーロNCAPが初めて実施した大型トラック安全テストで最高評価の5つ星を獲得している。

《森脇稔》

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