カスタムの初歩であり、大きなポイントになるのが車高を変えること。見た目にも大きな変化があるし、走行性能にも大きく関わる。それだけ大きなポイントになるが、きちんとしないとデメリットもありうる。パーツ選びと取り付けが重要になる。
◆車高カスタムの基本とメリット
車高を下げると、単純に見た目がカッコよくなると思う人は多い。何がカッコいいかは主観によるものなので一概には言えないが、自動車メーカーがモーターショーやオートサロンなどで発表するコンセプトカーのスポーツモデルはすべて車高が低い。
自動車雑誌の新車撮影では車高を低く見せてかっこよくするために、水や砂などの数百kgの重りを積んで車高を下げて撮影することもある。つまり車高を下げるとカッコいいと思う人が多いということである。では、どうやって車高を下げればいいのか。
◆ダウンサス・車高調で車高を変える方法
1:ダウンサスを組み込む
サスと呼ばれているが車高を下げることができるスプリングのこと。純正サスペンションからスプリングを外し、そこに社外品のダウンサスを組み込む。車高が下がるように設計されているスプリングで、数十mm車高を下げることができる。メリットはサスペンション自体は純正を使うのでコストを抑えやすいこと。ダウンサス自体は3万~6万円くらいが多く、そこでもコストを抑えやすい。とはいえ、組み込みはサスペンション自体を外し、一旦分解してスプリングを取り出し、そこにダウンサスを組み込んでから車体に取り付けるので、工賃は車高調取り付けと同等かそれ以上にかかる。
2:車高調や純正形状サスに交換
サスペンションごとアフターパーツに交換する方法。純正形状サスは純正サスのような樽型スプリングと組み合わせられたもので車高の調整はできないが、一般的には若干車高が下がるものが多い。ダンパー自体も変わるので乗り味も変えることができる。一般的にはノーマルと同等かそれ以上に快適な乗り心地を得られるものが多い。
“車高調”は車高調整ができるサスペンションキットの総称。一般的にスポーツ走行向けのモデルが多く、乗り心地はややハードになる傾向にある。そのかわりに大幅な車高ダウンが可能。車高が下がる代わりにサスペンションが沈み込む量を減らさなければならない。そうしないとタイヤとボディが干渉してしまったりする。そのためノーマルよりもバネレートの高いものを組み合わせて、沈み込むストローク量を減らす必要がある。必然的に乗り心地はハードな方向になる。
しかし、ダンパー自体も進化していて、快適性はノーマル並みかそれ以上ながら車高が下げられるサスペンションも多い。メリットは1mm単位でも0.5mm単位でも車高調整ができること。見た目にわずかな車高を合わせ込むこともできる。サーキット走行では微妙な車高の調整でハンドリングを調整していく。その調整幅の広さとフレキシブルさがメリットとなる。
◆車高変更時はアライメント調整が必須
いずれも車高を変えたら絶対にやらなければならないのがアライメント調整。タイヤが取り付けられている向きや角度はアームの長さなどで決められている。その調整部分を変えることでキャンバー角やトー角などを変えることができる。
クルマは車高が変わるとこのキャンバーやトーが変わるようになっている。沈み込んだときに適切にアライメントが変化するように自動車メーカーで設計されているので安定して走れている。意図的にサスペンションが沈み込むと、トーインに変化したりするようになっている。そのため車高を変えると直進時のアライメントがそもそもおかしくなってしまう。そこからさらに沈み込んで変化していくのでもっと大変なことになってしまう。
そのため車高を変えたらアライメント調整が必須。DIY派はメジャーを使って調整する猛者もいるが、ビギナーはぜひお店での調整をしてもらいたい。そもそも、どんな数値にするのが正しくクルマが走るかはプロにお任せしたい部分。むやみな調整は、場合によってはスピンしたり、危険も伴う。車検的にもサイドスリップが規定範囲内でないと合法とならないので、ぜひプロに調整をお願いしてもらいたい。