米国の大手トラックメーカーのケンワースは、同社を代表する1.9mキャブのクラス8重量級トラック3モデルの生産を2026年に終了すると発表した。対象となるのは、『W900』(W900LとW900Bモデル)、『T800W』(ワイドフード)、そして『C500』である。
この決定は、自動車業界全体が新しい効率的な技術や製品へと移行する中で、排出ガス規制の厳格化や部品調達の制約が主な要因となっている。最終受注の締め切りは2025年後半に発表される予定だ。
W900シリーズは1963年の発売以来、北米トラック業界の象徴的存在として知られてきた。クラシックな長いボンネットと従来型のデザイン、頑丈な耐久性、ドライバー重視の快適性とスタイルが特徴だ。オーナーオペレーターやフリート運転手に愛され、長距離輸送や重量物輸送、林業、ダンプなど様々な用途で活躍してきた。

T800は1986年の登場以来、耐久性、性能、現場での汎用性を兼ね備えた業務用トラックの基準を高めてきた。特にT800Wは重量物輸送やオフロード用途で人気が高く、大型エンジンや高い冷却能力、頑丈な部品を搭載できる設計となっている。
C500は1972年に生産が開始され、これまでに製造された中で最も頑丈な業務用トラックの一つとして知られている。極めて過酷な重量物輸送、油田作業、林業、鉱業、オフロード用途向けに特別設計されており、重量容量、耐久性、パワー、信頼性が重要視される場面で活躍してきた。
ケンワースは、これらのレガシーモデルの生産終了に伴い、ディーラーや顧客に包括的なサポートとガイダンスを提供する方針だ。後継モデルとしては、W990とT880が同社の伝統を引き継ぎ、最高クラスのドライバー快適性、効率性、信頼性を提供すると期待されている。
また、新設計のパフォーマンスフードを採用した最新の『T880S』は、高出力エンジンと増強された冷却能力を備えており、T800Wの代替モデルとしても有力な選択肢となる見込みだ。
ケンワースは、レガシートラックの段階的廃止プロセスの一環として、ディーラーと顧客に対し、最終注文をできるだけ早く行うよう呼びかけている。