ホンダ、日産が経営統合協議、三菱自は25年1月に合流判断…売上30兆円超のグループへ

ホンダ、日産自動車、三菱自動車 共同会見
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ホンダと日産自動車は12月23日、持株会社による経営統合に向けた協議を開始する覚書を締結したと発表した。日産が筆頭株主となっている三菱自動車は、この経営統合に加わるかを2025年1月末をめどに判断することも3社で合意した。


◆現在の協業の枠組みでは成し得ない競争力強化

協議がまとまれば株式移転の方式で2026年8月をめどに共同持ち株会社を設立し、東証プライム市場に上場する予定。 各社は共同持ち株会社の完全子会社となり上場廃止するが、それぞれのブランドは存続させるとしている。

3社の社長は同日、そろって都内で会見した。ホンダの三部敏宏社長は「それぞれが有する人材や技術などの経営資源を融合させシナジーを生み出すことにより、モビリティ社会を取り巻く知能化や電動化といった市場環境の変化に対応し、中長期的な企業価値の向上が期待できる」とした上で、「その実現に向けては経営統合という大きく踏み込んだ関係を前提とすることで、現在の協業の枠組みでは成し得ない真の競争力強化を実現できる」と、従来の電気自動車やソフトウエアなどの分野での協業からさらに踏み込んだ関係となる背景を説明した。

経営統合による具体的な効果について三部社長は「車両プラットフォームの共通化によるスケールメリットの獲得、研究開発機能の統合による開発能力向上とコストシナジーの実現、生産体制・拠点の最適化、購買機能の統合によるサプライチェーン全体での競争力強化、業務効率化によるコストシナジーの実現、販売金融機能の統合に伴うスケールメリットの獲得、知能化・電動化に向けた人材基盤の確立」の7項目を上げた。

◆スケールメリットはこれまで以上に大きな武器

日産の内田誠社長は「単純計算となるが、両社の売上規模は合計30兆円以上、4輪車の合計台数は750万台と、経営統合が実現した場合はグローバルな自動車メーカーの中ではトップクラスに入る規模感となる。車両の電動化、知能化を進めるには巨額の投資が必要となるし新たなプレーヤーが次々と登場し市場の勢力図が次々と塗り変っている中、スケールメリットはこれまで以上、大きな武器となる」と、経営統合の意義を語った。


《小松哲也》

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