来たる11月19日、オンラインセミナー「未来予測2035-【DX】第四次産業革命「クラウドロニクス」の行方」が開催される。セミナーに登壇するのは、株式会社アクアビット 代表取締役 チーフ・ビジネスプロデューサーで、「未来予測レポート」シリーズの著者である田中栄氏。
田中氏は2004年から法人向けレポート「未来予測レポート」シリーズを刊行、シリーズ累計1600社以上の導入実績を誇る。今回のセミナーは、その最新刊となる「未来予測2035レポート&デジタルサービス」のエッセンスを紹介しながら、自動車産業の未来を展望するものとなる。
今回のセミナーは以下のテーマで進められる。
1. 「デジタル・トランスフォーメーション」は業界単位の変化
2. 新しいコンピューティング環境「クラウドロニクス」
3. クラウドロニクスは自動車にどのような変化をもたらすか?
4. 対談・質疑応答
講演の後には、本セミナーのモデレーターであるスズキマンジ事務所 代表の鈴木万治氏を交えて、参加者からの質疑応答やディスカッションの時間が用意されている。
セミナーの見どころを田中氏に聞いた。
第四次産業革命=クラウドロニクス
「クラウドロニクス」とは、クラウドとメカニクス、エレクトロニクスの融合を意味する。この言葉を提唱する株式会社アクアビット 代表取締役 チーフ・ビジネスプロデューサーの田中栄氏は、この言葉が示す背景について説明する。
「これまではITとメカニクス、エレクトロニクスが別の領域として扱われてきました。特に自動車業界はハードウェア中心で、他の領域とは異なると捉えられてきましたが、それはもう過去の話です。ITとメカニクス、エレクトロニクスが一体となって初めてクラウドロニクス=第四次産業革命が成立するのです」
田中氏はまず、その前段となる「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」の概念をあらためて説明する。
「DXとは、デジタイゼーションでも、デジタライゼーションでもありません。デジタイゼーションは単なるデジタル化、例えば手書きをワープロに置き換えるレベルです。一方、デジタライゼーションは組織や業務のプロセス全体の効率化を指します。DXとは、それを超えて産業そのものを変革するものです」
例として電子出版を例に挙げ、「紙がデジタルになっただけでなく、工程を効率化しただけでなく、瞬時に翻訳や世界配信が可能になり、出版業界全体が変貌を遂げている」と説明する。このように、DXは単なるデジタル化の先にある業界変革を指すという。
そしてクラウドロニクスの世界では、それに加えて人工知能(AI)とIoTが重要な役割を果たす。田中氏はAIを「頭脳」、ロボットを「手足」、IoTを「神経」に例え、「これらが一体化した世界は、従来のコンピューティング環境とは全く異なる」と強調する。「僕がマイクロソフトに入社した時はパソコンが出始めの頃で、その変革の規模は大きなものでしたが、今はそれ以上の変革が起こっている」と、現状の変化の大きさを語った。
モビリティはロボットとして捉えるべき時代
田中氏は、自動車産業もITとAIの融合によって大きな変化を迎えていると指摘する。「そもそもモビリティというものは、もはや単なる移動手段ではなく、ロボットとして捉えるべき存在に変わってきていると考えています」