改めてペットとの同行同伴避難について考えてみる 2024【青山尚暉のわんダフルカーライフ】

3.11東日本大震災、筆者宅周辺の様子
  • 3.11東日本大震災、筆者宅周辺の様子
  • ジャックラッセルのララ
  • 多ポケットの避難ベスト
  • 多ポケットの避難ベスト
  • 多ポケットの避難ベスト
  • 防災持ち出しリュック(比較的軽量な避難リュック)
  • 防災持ち出しリュックキャリー
  • 防災持ち出しリュックキャリー

まずは、令和6年能登半島地震により被災された皆様、ならびにそのご家族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。皆様の安全と被災地の一日も早い復興を心よりお祈りします。

3.11東日本大震災で被災した経験もある、当時はラブラドールレトリバーのマリアと暮らしていたわが家では、改めて災害時の避難について考えてみた。今回は“わんダフル”な内容ではないことをお断りしておきたい。

◆ペットの同行避難と同伴避難は異なる

突然、襲ってくる災害時、ペットと暮らしている人、家族は大きな困難に直面することになる。そう、環境省が「ペット同行避難」を推奨しているものの、“同行”と理想的な“同伴”避難はまったく異なる。同行は、ほとんどの場合、昨年9月に行われたわが家の住む地域の避難訓練(近隣の小学校に避難)でも明らかになったように、同行避難ではペットは屋内の避難所とは別の屋外の指定場所に置いておかざるを得ない(行政からはその場の判断…という暖味な答えしか得られなかった)。一方で、例えば千葉県柏市のように、近隣センター(北部、柏ビレジ、根戸を除く)、全市立中学校の一部教室などをペット同伴避難場所として用意しているところもある。あらかじめ、住んでいる地域の同行避難場所、同伴避難場所について、そこまでのアクセスを含め、調べておくのが第一だ。

わが家の場合、すでに説明したように、近隣の避難所では同行避難しかできない(この点はすでに市議会議員さんや自治会長に改善を進言している)。となれば、災害時のわが家の対応は、ほぼ自己責任で行わざるを得ない。つまり、家族の一員である、現在の愛犬、ジャックラッセルのララとキャバリアのアーモンドとともにどう避難するか、である。

ジャックラッセルのララジャックラッセルのララ

◆4パターンの避難方法&避難グッズ

そこでわが家が熟慮した答えが、4パターンの避難方法&避難グッズの用意。以前、この青山尚暉のわんダフルカーライフで災害時のペット対応について、「停電時に家族と愛犬の命を守るには?クルマでの避難が選択肢の一つに」「ドッグフレンドリーカーに積んでおきたい愛犬用災害対策アイテム10」「災害時に強い電動ドッグフレンドリーカー」などの記事を紹介してきたが、実際、災害に直面して、どう行動すべきかはその場次第。だからこその4パターンである。

1.多ポケットのベスト

多ポケットの避難ベスト多ポケットの避難ベスト

とにもかくにもいち早く非難しなければならない状況で強みを発揮してくれると思われ、用意したのが多ポケットのベストだ。身の回り品の一例を挙げれば、小銭、テレフォンカード、モバイルバッテリー、タオル、ウェットティッシュ、ティッシュ、カロリー食品、のど飴、コンパクトLEDライト、ミニラジオ、絆創膏、下着セット、歯ブラシセット、レインコート、防寒ポンチョなどで、もちろん、愛犬用のグッズ(とくにエチケット袋と臭わない袋は欠かせない)を入れてある。サッと羽織れ、避難リュックとの同時使用も可能だ。

なお、多ポケットの避難ベストは、避難所での貴重品管理にも役立つと考えている。大きめのポケットを財布やスマートフォンが入れられるように空けてあるのもポイントだ。

2.防災持ち出しリュック

防災持ち出しリュック(比較的軽量な避難リュック)防災持ち出しリュック(比較的軽量な避難リュック)

わが家では、これまで家族一人ひとつの防災リュックを用意していた。しかし、両手が空くメリットがある一方、荷物を積め過ぎると重くなるのは当然だ。そこで、カミサンと娘は比較的軽量な避難リュックを用意。

そしてボクはリュックキャリーを使うことにした。つまり、リュックにもハンドキャリーにもなる二刀流のバッグである。転がせる場面では背負う必要のないキャリーケースとして使えるメリットがある。

防災持ち出しリュックキャリー防災持ち出しリュックキャリー

これなら荷物満載である程度、重くてもなんとかなるはずである。ちなみにここには500mlの水×3、スペア電池、電源タップコード、モバイルバッテリー、眼鏡、レジャーシート、トイレットペーパー、ペット用品&フード(おやつも)、小銭なども入れてある。中身を出せば、折り畳みポリタンクを使った水の運搬にも使えそうだ。ちなみに、ペット同行が可能な避難所にお世話になるとしても、愛犬用のフードや用品の支援はなかなか期待できないのが現状だ(同伴避難所なら別だが)。

3.車内にも避難グッズを積んでおく

車内にもある程度の人とペットの避難用品を入れておく車内にもある程度の人とペットの避難用品を入れておく

3つ目のパターンは、1と2に加え、車内にもある程度の人とペットの避難用品を入れておくこと。仮に、災害時クルマが無事であれば、愛犬とともに一時避難できるシェルターになりうる。車中泊ができるクルマ、HVやPHEVのようなAC100V/1500Wコンセントから電源供給できるクルマならなおよい。


これについては、本連載の
「ドッグフレンドリーカーに積んでおきたい愛犬用災害対策アイテム10」
「停電時に家族と愛犬の命を守るには?…クルマでの避難が選択肢の一つに」を参考にしていただきたい。

4.ペットカートを活用

ペットカートペットカート

もっとも、愛犬と避難する際、路面状況によって素足の愛犬を歩かせることができない状況もありうる。あるいは、愛犬と避難できる避難所が遠方の場合もある。その際、愛犬を抱え、リュックを背負い…という避難方法がベストとは言えないだろう(犬の大きさ、体重による)。そんなときに威力を発揮してくれるのがペットカートだ。

コットの部分や車体下にある物入れを活用できるし、愛犬を出した状態なら荷物運搬用カートとしても使うことができるのだ。わが家では1頭にひとつのペットカートを用意してあり(最小限のペット用品を積載済み)、状況判断によって愛犬をカートに乗せて避難することも想定している。コットが外せるタイプなら、避難先で“完全に覆える”愛犬用ベッドとしても使えるから便利だ(※大型犬用のカートもある)。

コットが外せるタイプのペットカートなら、避難先で“完全に覆える”愛犬用ベッドとしても使えるコットが外せるタイプのペットカートなら、避難先で“完全に覆える”愛犬用ベッドとしても使える

以上は、愛犬ファーストのわが家ではそこまで対策しているという一例である。多少なりとも参考になれば幸いだ。

《青山尚暉》

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