世界初の「4シーター・メガカー」、ケーニグセグが『ジェメラ』を発表…V8ツインターボ+モーターで2300馬力

最大出力は1メガワット(約1360hp)を超える

4シーターでミッドエンジンV8レイアウトを可能にした「LSTT」

新型モーターの「ダークマター」を開発

2024年内に新工場で生産開始へ

ケーニグセグ・ジェメラ
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ケーニグセグ(Koenigsegg)は7月10日、新型プラグインハイブリッド(PHEV)スーパーカー『ジェメラ』の市販バージョンを発表した。


◆最大出力は1メガワット(約1360hp)を超える

ジェメラは、世界初の4シーターの「メガカー」(最大出力1メガワット/約1360hpを超えるモデルを指す)を掲げて開発され、1メガワットを超えるパワーを備えている。2020年に発表されたコンセプトカーに対して、市販バージョンのジェメラは、パワートレインが進化している。

ケーニグセグが自社開発したモーターは、「クォーク」と命名された。ジェメラには3種類のパワートレインが用意される。そのうち、最強仕様は「HV8」(ホットV8)だ。電気モーターは、最大出力800hp、最大トルク127.5kgmを発生する。

ミッドシップの5.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンは、最大出力1500hp、最大トルク153kgmだ。ジェメラはPHEVシステム全体で、2300hpのパワーと280.4kgmのトルクを獲得している。

◆4シーターでミッドエンジンV8レイアウトを可能にした「LSTT」

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ジェメラのHV8バージョンは、ハイパーカーやメガカーの枠を超え、すべてを次のレベルへと引き上げる、と自負する。そのための重要な技術のひとつが、「Light Speed Tourbillon Transmission(LSTT)」だ。LSTTを開発するよりも前には、コンパクトサイズながら4シーターの広い室内スペースを持つジェメラに、ミッドエンジンのV8を搭載するのは困難と考えられていたという。

しかし、LSTTのレイアウトが可能にした。それを実現するためには、『ジェスコ』用のV8エンジンを、エキゾーストが中央上部に出る、いわゆる「ホットV8」に変更する必要があった。それ以外では、ジェスコのV8エンジンから大きな変更はないという。

ジェスコのV8エンジンのサウンド、レスポンス、パワーを、ジェメラの大胆なエンジニアリングと組み合わせることで、新しいパワートレインが誕生したという。

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◆新型モーターの「ダークマター」を開発

エンジンとLSTTを補完するために、ケーニグセグの研究開発チームは、新型モーターの「ダークマター」も開発した。この新型モーターは、最大出力800hp、最大トルク127.5kgmを引き出す特許出願中のラキシャル・フラックスEモーターだ。6相テクノロジーを採用した世界で最もパワフルな自動車用Eモーターになるという。

ダークマター1基がLSTTと組み合わされ、3基のクォークEモーターがダイレクトドライブシステムと組み合わせられる。これにより、電動パワートレインが軽量、小型化された。4輪トルクベクタリングを備えたLSTTの4輪駆動システムは、800hpのダークマターEモーターかツインターボの「TFG」、またはその2つの組み合わせで駆動することができ、その結果、最大出力は1400hp、最大トルクは188.6kgmとなる。

この新しいパワートレインのラインナップにより、ジェメラはダークマターEモーターによる800hpに、HV8による1500hpを追加することができる。合計で2300hpのパワーと、280.4kgmのトルクを発揮するシステムが完成した。

◆2024年内に新工場で生産開始へ

ジェメラでは、4つのシート、ミッドエンジンポジション、電動パワートレインを備える。さらに、9速トランスミッション、トルクベクタリング、4輪駆動をかつてない軽量さで追求した。

ジェメラのHV8バージョンは、重量1kgあたり1.11hpという驚異的なパワーを備える。地球上で最もパワフルでエクストリームな市販車、と自負する。

ジェメラは2024年内に、新工場の「グリペンアトリエ」で生産を開始する予定だ。顧客への納車は、2025年からを計画している。

《森脇稔》

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