トラブル相次ぐマイナンバー、運転免許証どうなる?[新聞ウォッチ]

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「叩けば埃が出る」ということわざもあるが、それにしても次から次へと呆れ返るほどに埃が出るものである。

マイナンバーとひも付ける公的給付金の受取口座が、本人以外の名義で登録されたケースが約13万件にも上ったことが判明。無関係の人の口座が誤登録されたケースも748件も確認されたことも報告されており、相次ぐトラブルに「見切り発車だからこういう問題が起きる」との冷ややかな声も聞こえてくる。

◆口座登録を支援する窓口でミスか

きょうの各紙も、朝日、毎日、東京の3紙が1面トップで「マイナ口座家族名13万件、別人登録748件」などの見出しで大きく取り上げている。5月23日に公金受取口座の誤登録事案を公表したデジタル庁が、約5400万件を点検した結果を明らかにしたもので、9月末までに本人口座へ訂正するよう呼び掛けるそうだ。

一方、同じ口座に複数の人が登録されているデータは現時点で748件あり、多くがマイナンバーの対象者と異なる人の口座情報が登録された可能性があるという。公金受取口座の登録を支援する自治体窓口で、前の利用者のアカウントのまま、次の利用者が端末を使い、口座情報を登録した可能性が高いとみられている。

◆運転免許証とひも付けも検討

マイナカードを巡っては、「マイナ保険証」に他人の情報をひもづけるミスなども相次いでおり、読売は「マイナ保険証の普及には信頼回復が大前提となる」と指摘。また、朝日は「マイナンバー制度の『普及ありき』で臨むずさんな政府の対応」が裏目に出たと言及している。

さらに、東京も「マイナポイントを支給するなどして登録の推進を図ったが、拙速な普及策が裏目に出た」として「政府は小手先の対策ではなく、マイナ制度自体を根本的に見直すべきだ」とも解説記事で取り上げている。

そのトラブル続きのマイナンバーガードにクルマの運転免許証とひも付けることも検討されているようだが、これほど不信感が高まったままでは、一体化するのもむずかしいだろう。

2023年6月8日付

●物流「2024年問題」コンビニ配送効率化、回数減、AIでルート(読売・6面)

●コロナ前回復習慣が左右、旅行好調、パスポート申請に行列(朝日・3面)

●豊田会長に「反対」助言会社が推奨、トヨタ株主総会取締役案巡り(朝日・7面)

●マイナンバー公金受取口座、家族名義13万件、普及が裏目制度見直しを(東京・1面)

●三井住友海上EV整備網、新興と協業、商用車向け500か所(日経・13面)

《福田俊之》

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