日本列島を襲った12月24・25日のクリスマス寒波は、各地の鉄道に甚大な影響を与えた(情報はいずれも12月26日12時時点で確認したもの)。
とくに、この時期としては異例の湿った雪が大量に降り続いた北海道では、宗谷本線や石北本線で未曽有の雪害に見舞われている。
JR北海道が12月25日21時に発表した情報によると、宗谷本線音威子府駅(北海道音威子府村)周辺では約150cm、石北本線白滝駅(北海道遠軽町)周辺では約120cmの積雪があり、「機械除雪や人力除雪を懸命におこなっておりますが、積雪量が多く、湿性の重たい雪でもあり、そして今後も更なる降雪が予想されています」としている。

そのため、宗谷本線では12月27日まで、石北本線では12月28日まで再開が困難とアナウンスされているが、これには「少なくとも」「見込みも立っていない」という表現がなされていることから、年末輸送のピークまでに再開できるかは微妙な情勢と思われる。


これを受け、特急では旭川~稚内間の『サロベツ』、札幌~網走間の『オホーツク』、旭川~網走間の『大雪』が全区間運休しており、札幌~稚内間の『宗谷』については札幌~旭川間の運転となっている。
また、12月25日に旭川駅(北海道旭川市)で開催される予定だったH100形一般型気動車のラッピング車公開は雪害により中止されている。
石北本線や宗谷本線以外の線区では、釧網本線東釧路(釧路)~網走間全線も終日運休が続いており、釧路方面以外の道東・道北の鉄道は麻痺状態となっている。

一方、JR東日本では、奥羽本線新庄~院内間が終日運休となっており、12月27日も遅れや運休が発生する可能性があるとされている。
JR西日本では大糸線南小谷~糸魚川間で運行を見合わせており、再開は下り(糸魚川方面)が平岩19時6分発、南小谷19時8分発、上り(南小谷方面)が糸魚川16時49分発から再開する予定。JR東日本エリアの大糸線(松本~南小谷)は平常運行となっている。
中国地方では芸備線東城~備後落合~三次間と木次線出雲横田~備後落合間で終日運休が続いている。芸備線の再開は12月27日以降を見込んでおり、これを待って木次線出雲横田~備後落合間の代行輸送を開始するとしている。
このほか、芸備線備後落合~志和口間と福塩線府中~三次間でも運行が見合わされており、再開の目途が立っていない。