【フォーミュラE】 メルセデス製の電動パワートレインが圧勝…第8戦レビュー

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電気自動車のF1とも言える「フォーミュラE世界選手権(FE)」の第8戦は、第7戦とのダブルヘッダーとしてドイツの首都ベルリンで5月15日(日)に開催された。この日はメルセデス勢の強さと速さが際立ったレースが観られた。

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◆前日とは違う戦略が求められた第8戦

第8戦は、前日の第7戦とはコースを逆に周回する時計回りで行われた。反時計回りでの走行に比べると、最終コーナーでスピードを乗せられないなどオーバーテイクが難しいレイアウトとなる。また、レース中に30kWのパワーアップが許される「アタックモード」は、前日の4分間×2回から8分間×1回に変更された。

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アタックモード中の最高出力250kWはスピードに勝るものの、電気の消費量増加やバッテリーの温度上昇により、エネルギーマネージメントが難しくなる。「電費」に厳しい今回のコースで、各チームとも第7戦とはまったく違う戦略が必要となった。そうした環境下で圧倒的な強さを見せたのがメルセデス勢だった。

◆エネルギー残量に余裕が見られたメルセデス

3番グリッドから好スタートを決めたニック・デ・フリーズ(オランダ)は、第1コーナーでエドアルド・モルタラ(スイス)のインをついてトップに立った。その後は第7戦と同様、各車テール・トゥ・ノーズ状態で周回を重ねていく。序盤は抜かれない程度のペースを保ちつつ、お互いのエネルギー消費状態を想像しながら出方を探る展開となった。

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最初に動いたのは「メルセデス- EQフォーミュラEチーム」の2台。スタートから10分が経過した頃、いち早くアタックモードに入った。トップのデ・フリーズが安定した走りでポジションを守ると、チームメイトのストフェル・バンドーン(ベルギー)も上位に浮上していく。

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2位につけていたモルタラ(ベンチュリ・レーシング)は逆にアタックモードを遅らせて、終盤のオーバーテイクに賭けた。ライバルたちよりも「バッテリーに優しい」ドライビングに定評のある彼らしい戦略だ。ところがこの日はデ・フリーズが絶好調で、バッテリー残量は常に1%ほどライバル勢よりも多い状態で2位のモルタラ以下を引き離していく。後方の8番手からスタートしたバンドーンも勢いがあり、終盤には3位に上がった。

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◆メルセデス製パワートレインの強さと速さ

スタート直後の第1コーナーでトップに立ってから、安定した速さで周回を重ねながらもエネルギー残量に余裕があったデ・フリーズが優勝。1月の開幕戦以来となる今シーズン2勝目を挙げた。今回はレース巧者のモルタラもデ・フリーズを攻略することはできず、2連続の「ポール・トゥ・ウィン」はかなわず2位に甘んじた。

3位にはバンドーンが入り、2戦連続の表彰台を獲得。シリーズランキングでも2位とのポイント差を広げた。4位にはモルタラのチームメイト、ルーカス・ディ・グラッシ(ブラジル)が入り、シーズン3(2016/2017)のシリーズチャンピオンが久しぶりに上位フィニッシュを果たした。

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◆メルセデス製パワートレインが1位から4位までを独占

今回のレースで目立ったのは、地元ドイツのメルセデス勢だった。FEは基本的に同一スペックの「ワンメイク」マシンでレースを行うが、シーズン5(2018/2019)から導入された「Gen2(第2世代)」マシンでは一部のコンポーネンツを独自開発することが認められている。バッテリーからの電流を変換したり制御したりするインバーターと、トランスミッションおよびモーターから構成される電動パワートレインは各チームがオリジナルを使用している。

モルタラやディ・グラッシが乗るベンチュリのマシンには、メルセデスのパワートレインが搭載されている。したがって、第8戦ではメルセデス製パワートレインが1位から4位までを独占したことになる。今シーズンの開幕戦ではデ・フリーズとバンドーンが1-2フィニッシュを飾り、翌日の第2戦ではモルタラ1位、ディ・グラッシ3位とメルセデス勢の強さが際立っていた。

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第3戦以降は勝利から遠ざかっていたが、第6戦のモナコでバンドーンが今季初優勝を遂げてから速さと強さが復活した印象を受ける。シーズン前半を終了した段階で、チームランキングでもメルセデスがトップ、ベンチュリが2位につけている。

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FEはこの後ヨーロッパを離れ、6月4日にインドネシアのジャカルタで後半戦が始まる。メルセデス勢がこのまま突き進むのか、ライバルの巻き返しはあるのか、今後の展開に注目したい。


《石川徹》

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