【レクサス LX 新型試乗】必要か?不要か?だけで語れないからクルマは面白い…諸星陽一

日本にこんなサイズのSUVは必要か?

18インチを履く日本限定の「オフロード」

まわりのクルマが気を使う威風堂々のサイズ感

2.5トンの車重を感じさせないハンドリング

レクサス LX600 オフロード
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日本にこんなサイズのSUVは必要か?

『LX』はレクサスの歴史のなかでは比較的古くから存在するモデルで、初代は1996年に当時の『ランドクルーザー80』をベースとしていた。

しかし初代と2代目(100ベース)が発売された当時、まだ日本にはディーラー網がなかったこともあり、レクサスとして発売されることはなかった。ただし2代目は『ランドクルーザー・シグナス』の名で販売されていた。3代目(200ベース)はすでに日本でレクサスのディーラー網がスタートしていたこともあり、導入を開始。今回、レクサスLXの国内仕様として初のフルモデルチェンジを受けた。

日本という国でこんなSUV(というよりもクロスカントリー4WD)が必要か? という話題になってしまうと、話が先に進まない。必要か? 不必要か? を言い出せばクルマなんてほとんどが軽自動車でよく、服だってみんなが同じユニフォームを着ていたって事は足りるということになってしまう。そうじゃないから面白いし、そうじゃないからいろいろなブランドのクルマがある。

18インチを履く日本限定の「オフロード」

レクサス LX600 オフロードレクサス LX600 オフロード

新型の『ランドクルーザー300』には3.3リットルのV6ディーゼルターボも搭載されたが、レクサスLXは3.4リットルのガソリンエンジンのみの設定(海外モデルにはディーゼルエンジンの設定あり)となっている。ガソリンエンジンのスペックはランクルと同一で305ps/650Nmと強力だ。プラットフォームはラダーフレーム方式を踏襲するが、TNGAの思想を盛り込んだGA-Fと呼ばれるものが採用された。

試乗車は「オフロード」というグレードで、タイヤが265/65R18サイズであったりする。ほかのグレードが20インチや22インチを履くのだから、その名のとおりオフロードよりである。このオフロードは日本のみの設定で、グローバルには設定されない。そして、日本での評判を見て、世界での販売をどうするか? 決めるとのことであった。

まわりのクルマが気を使う威風堂々のサイズ感

レクサス LX600 オフロードレクサス LX600 オフロード

試乗のスタートはトヨタ自動車の東京本社地下駐車場。全幅1990mmのボディで地下駐車場のスロープを上るのはそれなりに気をつかう。もちろんセンサーなども付いているので、いきなり擦ることはないだろうが、スロープで左前センサーが反応し、後退が必要という場面はちょっと想像したくないと思いつつ、センサーを反応させることなく地上へと出た。一般道ではかなり気をつかったドライブになるかと思ったらそうでもない。なにせ、まわりのクルマのほうがよっぽど気をつかってくれている印象だ。

ランクル同様にボンネットには2つの盛り上がった部分があり、このデザインが車幅をつかみやすくしてくれているので、比較的運転はしやすい。首都高速に入っても、一般道同様に周囲のクルマが気をつかってくれる感じは変わらない。

2.5トンの車重を感じさせないハンドリング

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中央高速道へ入り、ACCを試してみる。ACCの性能は高く、しっかりと先行車を追従していくが、さすがに2.5トンを超えるボディは慣性も大きい。車間距離を長めで使ったほうが安心感がある。タイヤが18インチということでレーンキープの動きもセンシティブではなく、ゆったりしていて不安感がない。基本的に乗り心地はいいのだが、何度か段差越えの際にボディがブルッと震えることがあり、フレーム式プラットフォームの宿命は消しきれていないと感じる。

ワインディングも走らせてみたが、ハンドリングは思ったよりもいい。2.5トンという重さを感じさせずに走れるところはさすがのセッティングだ。走行シーンに合わせて、AUTO/DIRT/SAND/MUD/DEEP SNOW/ROCKのモードを切り替えられるマルチテレインセレクトや、ダウンヒルアシストコントロールなどが装備されるのだが、スイッチ類が複雑でわかりにくいのが残念。もっと直感的な操作系が望ましいだろう。

レクサス LX600 オフロードレクサス LX600 オフロード

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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