トンネル『ジェットファン』が累計2000台…台風並み パナソニック

ジェットファン
  • ジェットファン
  • 倶利伽羅(くりから)トンネル初号機(1968年)
  • 大和川トンネル(2019年)
  • 電気集塵機
  • ジェットファンの働き
  • トンネル換気システムの仕組み(阪神高速6号大和川線)
  • ジェットファンの進化
  • ジェットファン納入実績

パナソニックエコシステムズは、2022年3月にトンネル換気システム「ジェットファン」生産累計2000台を達成したと発表した。

ジェットファンは、当初山岳トンネルを中心としたトンネル内の煤煙濃度を下げ、ドライバーの視界を確保するために開発。平均風速35m/sという台風並みの換気風を発生させ、排ガスが含まれたトンネル内へ新鮮な空気の流入を促進させることで、安全で快適な走行環境を提供している。また、火災時に煙の流れを制御して避難経路を確保する排煙制御としても用いられている。近年では、自動車の排気ガスが浄化されてきている一方で、都市内の高速道路の地下トンネル化が進んでいる。電気集塵機や脱硝装置などと併せて納入することで、トンネル内と周辺地域の環境改善に貢献するトータルソリューションとして展開している。

同社は1968年、JF600型初号機を富山県と石川県の県境に位置する倶利伽羅(くりから)トンネルに初納入。1996年には生産累計1000台を達成した。2004年にはベトナム向けに海外向け初号機を納入。2014年には、安全性・経済性の向上、点検やメンテナンスのしやすさなどを追求した軽量型ジェットファンを開発。吸音材や羽根の形状などを見直すことで、発生騒音の基準値を保ち、規定風量と強度を確保しながら機体を短くすることに成功した。2019年3月には、1つの件名としては過去最多の台数となる78台のジェットファンを都市部の地下トンネルである阪神高速6号大和川線に納入した。

日本各地における都市計画道路の整備やトンネル換気システムの老朽化による大規模更新・修繕事業は今後も続くとみられている。同社はこれからもジェットファンをはじめとした機器開発、設計、製作、エンジニアリングの一貫したトンネル換気ソリューションで、社会インフラの整備に貢献していく。

《纐纈敏也@DAYS》

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