11年前のトヨタ社員パワハラ自殺、豊田社長が謝罪---遺族と和解[新聞ウォッチ]

新聞ウォッチ(イメージ)
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トヨタ自動車に勤務していた男性社員が自殺したのは過密な業務と上司のパワーハラスメントにより、うつ病を発症したのが原因だとして、愛知県豊田市に住む男性社員の妻と長女がトヨタを相手取り、計1億2300万円の損害賠償を求めた訴訟が、裁判外で和解が成立したという。

遺族側代理人が発表したもので、きょうの各紙も社会面で「パワハラ自殺トヨタ和解」などと報じている。訴状などによると、男性は海外工場の生産準備などを担当していた2009年にうつ病を発症し、翌10年1月に自殺したという。遺族は、重要な課題を複数抱えて過労となり、上司に大声で叱責されるなどのパワハラもあって発症したと主張。しかし、トヨタ側は当初、業務と男性の自殺との因果関係を認めなかったが、遺族が労災不認定の取り消しを求めた別の訴訟で、名古屋高裁が昨年9月、自殺と業務の因果関係を認める判決が確定したことを受け、トヨタ側が態度を一転させたという。

高裁判決が確定した後に、豊田章男社長も遺族と面会して「11年もの間放置されたのは社内の隠ぺい体質によるものだった」と謝罪。解決金(金額非公表)を支払うとともに、隠ぺい体質を一掃するなどを約束したことから和解が成立したという。

きょうの朝日はトヨタの桑田正規執行役員に取材。トヨタは昨年春に社長主導で「会社の風土」を変えると宣言し、パワハラ対策の強化を打ち出しているが、桑田氏は「道半ばだ」とし、取り組みをさらに進めると強調したとも伝えている。

2022年2月1日付

●都に緊急事態首相慎重、「現時点で検討せず」(読売・1面)

●トヨタ社員自殺和解、社長が謝罪、パワハラ認める(読売・27面)

●ベア有無非公表、トヨタ労組方針、前年に続き(朝日・6面)

●トヨタ、パワハラ対策道半ば、「風通しの悪さ」解消急ぐ(朝日・7面)

●そごう・西武売却へ、セブン&アイ百貨店分離(毎日・1面)

●車の感情、研究開始、メタバース使い「シンクロ」(毎日・8面)

●東レ難燃認証で不正、米機関に虚偽、車・家電用樹脂(毎日・25面)

●賃上げ要求「昨春と同等」トヨタ労組組合員平均は廃止(日経・15面)

●三菱自、純利益上振れ、今期500億円に、値引き抑制(日経・17面)

●日野自、最終黒字188億円、4~12月(日経・17面)

●空自F15戦闘機消息絶つ、小松基地を離陸後、墜落か(日経・43面)

《福田俊之》

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