ベトナム初の世界的な自動車メーカーの「ビンファスト」(VinFast)は1月4日、米国ラスベガスで開幕したCES 2022において、同社初のEVの『VF e35』と『VF e36』の予約プログラムを、ブロックチェーン技術を導入して開始すると発表した。
ビンファストは、ベトナムの大手民間多業種グループ、ビングループの子会社として、2017年に設立された。年産能力は自動車が25万台、電動スクーターが50万台に達している。
◆ブロックチェーンにより予約・決済や最終的な車両所有者を保証
ビンファストは2021年秋、ロサンゼルスモーターショー2021において、VF e35とVF e36の2つの電動SUVを初公開した。VF e35はDセグメントの中型電動SUV、VF e36はEセグメントの大型電動SUVだ。
ビンファストは、同社初のEVのVF e35とVF e36の予約プログラムを、ブロックチェーン技術を導入して開始する。予約手続きにブロックチェーンテクノロジーを採用することにより、予約や決済、最終的な車両所有者を保証する。ビンファストはブロックチェーンを採用することで、この高度なテクノロジーを実用化する世界初の自動車メーカーになるという。
予約ポータルは、CES 2022で開催されるビンファストの「Global EV Day」イベントの期間中の米太平洋標準時1月5日17時(ベトナム時間1月6日8時)から、米国、ベトナム両市場で同時に開始され、4月5日に締め切られる。この間に予約した顧客は、同社独自のメンバーシッププログラム「VinFirst Pioneers Gratitude to Pioneers」に自動的に加わることになる。
◆ビンファストのメンバーシップを保証する「NFT」(非代替性トークン)
ベトナムでは、予約金は1000万ドン(440ドル)。これと引き換えに、VF e35の購入価格に対して1億5000万ドン(6565ドル)のクレジット、またはVF e36の注文で2億5000万ドン(1万0938ドル)の割引が受けられる。
米国では、200ドルを予約金として支払った顧客は、VF e35の3000ドルのEバウチャー、VF e36の5000ドルのEバウチャーが受け取れる。ブロックチェーンテクノロジーを採用することで、EVを予約した顧客は、ビンファストのメンバーシップを保証する「VinFast NFT(非代替性トークン)」を受け取る。
その後、VinFast NFTに基づくブロックチェーンウオレットに直接移され、顧客がそのベネフィットを簡単かつ透過的に確認し、会員として今後のベネフィットとサービスを利用することを可能にするという。予約金は両市場ともに、払い戻しできる。
◆レベル4の自動運転システムを装備
ビンファストは米国で初めて、予約手続きにブロックチェーンを採用する。近い将来、その他の市場でもこのテクノロジーを利用する可能性を検討している。
1月5日の予約ポータルの開始に当たり、ビンファストは米国とベトナム市場でのVF e35とVF e36の2つのモデルの価格を正式に発表した。カナダと欧州市場向けの価格は後日発表される予定だ。誰もがEVのオーナーになることを可能にするというコミットメントによって、ビンファストはバッテリーのリースと10年間保証とともに、全ての市場で競争力ある価格のEVを販売していく。
予約を受け付ける電動SUVモデルのVF e35とVF e36では、「Eco」と「Plus」バージョン向けにレベル4+、「Premium」バージョン向けにレベル3~4の自動運転システムを装備する。これらのモデルは、スマートホーム、モバイルオフィス、車内ショッピング、車載エンターテインメント、その他の便利で高度な機能を含むスマートサービスを備えており、あらゆる旅行、日常生活にとって爽快な経験を生み出す、としている。