話題の『シンガー911 DLS』市販型プロトタイプが、ついにニュルブルクリンクに降臨、高速で走るその勇姿を魅せた。
シンガー社は2009年から空冷エンジン搭載のポルシェに最新の技術を投入し、レストア。DLSは「Dynamic and Lightweighting Study」の略で、ベースとなっているのは1989年「964」世代の911だ。ウィリアムズが調整したシャーシとカスタムカーボンファイバーボディパネルを備えた「究極の軽量空冷911」となるべく設計されており、マニアから注目の的となっている。
8月の「グッドウッドフェスティバル・オブ・スピード」では、空冷ポルシェ『911』をベースとした2台の『シンガー911 DLS』を発表。市販へ向けてのニュル高速テストが開始されたようだ。カメラマンによると、ニュルでは卓越したコーナーリング、直線での高速安定走行などが見られたという。
シンガー911 DLS市販型のパワートレインは、ウィリアムズと共同開発された4.0リットル水平対向6気筒自然吸気エンジンを搭載、最高出力は500ps/9000rpmを発揮する。ボディにはカーボンファイバーを使用し、不要な重量を排除しながら、空力性能をアップグレートしている。ウィリアムズは新しいアンダーボディを開発することにも協力、チタンや磁気などの高度な材料を使用することにより、さらに車両総量を削減している。また軽量サスペンションなどによるハンドリングの向上も果たしているという。
シンガー社は、ウィリアムズ以外にもブレンボ、ミシュラン、BBSモータースポーツ、ボッシュなど様々な企業と提携、75台のDLSモデルを生産することを予定しており、販売価格は180万ドル(約2億円)超えが確実と噂されている。