ランボルギーニ『カウンタック』、814馬力ハイブリッドで復活…ミラノデザインウィーク2021

スーパーキャパシタに電気エネルギーを蓄電

プッシュロッド式サスペンション

独特の「カウンタックフェイス」

オリジナルのスタイルを受け継ぐインテリア

ランボルギーニ・カウンタック LPI 800-4(ミラノデザインウィーク2021)
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ランボルギーニは9月5~10日、イタリアで開催されたミラノデザインウィーク2021に、『カウンタックLPI 800-4』(Lamborghini Countach LPI 800-4)を出展した。

ミラノデザインウィークは、毎年イタリア・ミラノで開催される世界最大のデザインエキシビションだ。家具メーカーやファッションブランドが、独自性をアピールする各種イベントを開催する。「ミラノサローネ」とも呼ばれている。

カウンタックLPI 800-4は、ランボルギーニの名車『カウンタック』の50周年を記念して、世界限定112台を生産する。オリジナルのカウンタックは1971年に先行発表され、市販モデルの「LP400」が1974年に発表された。排気量4.0リットルのV型12気筒ガソリンエンジンは、最大出力375hpを獲得。0~100km/h加速5.4秒、最高速309km/hの性能を誇った。

スーパーキャパシタに電気エネルギーを蓄電

カウンタックLPI 800-4のパワートレインは、ブランド初のハイブリッドスーパーカーの『シアンFKP 37』譲りだ。6.5リットルV型12気筒ガソリン自然吸気エンジンは、最大出力780hp/8500rpm、最大トルク73.4kgm/6750rpmを発生する。

48Vのモーターは、7速「ISR」トランスミッションに組み込まれ、最大出力34hpを発生する。エンジンとモーターを合わせたシステム全体で、814hpのパワーを引き出す。乾燥重量は1595kg。0~100km/h加速2.8秒、0~200km/h加速8.6秒、最高速355km/hのパフォーマンスを可能にする。

電気エネルギーの蓄電には、リチウムイオン電池ではなく、スーパーキャパシタを使用する。『アヴェンタドール』で最初に実用化されたスーパーキャパシタだが、カウンタックLPI 800-4では10倍の電力を蓄電できる設計とした。ランボルギーニによると、同じ重量のリチウムイオンバッテリーよりも出力は3倍強力という。スーパーキャパシタは、コックピットとエンジンの間の隔壁に配置され、前後の重量配分に配慮している。

プッシュロッド式サスペンション

低速域では俊敏性を向上させ、高速域では車両のコントロール性と安定性を高める「ランボルギーニ・ダイナミック・ステアリング(LDS)」と、「ランボルギーニ・リアホイール・ステアリング(LRS)」を採用する。LDSシステムは、速度と選択されたドライビングモードに適応し、直接的なステアリングから、より間接的なステアリングに移行する。LRSシステムは、2基の電気機械式アクチュエーターにより、後輪を制御する。

4輪駆動システムは、すべての新しいダイナミックシステム、とくにLRSと連動して動作するように最適化されている。このシステムは、ピレリ「P Zero」タイヤとともに、グリップが低い路面でも優れたパフォーマンスを発揮することができるという。さらに、前後アクスル間のトルク配分は、選択されたドライビングモードや路面状況に応じてダイナミックに変化する。

プッシュロッド式フロント/リア磁気レオロジーサスペンションは、路面状況や選択したドライビングモードに応じて、サスペンションの挙動を変化させることが可能。このシステムは、LRSシステムと連動して機能するように開発されており、あらゆるコンディションで最善のレスポンスを実現するとともに、ローリングや不要なボディの動きを補正する。

独特の「カウンタックフェイス」

カウンタックLPI 800-4は、オリジナルのカウンタックに敬意を示したデザインを採用する。オリジナルのカウンタックが持つ独創的なコンセプトは、何世代にも渡って、スーパーカーにインスピレーションを与えてきたという。そのコンセプトが、カウンタックLPI 800-4にも反映されている。ピュアなボディライン、V12縦置きミッドシップエンジン、オリジナルのカウンタックで初採用された上方に開くシザードアが、カウンタックLPI 800-4にも導入された。

ランボルギーニは、カウンタックLPI 800-4に、独特の「カウンタックフェイス」を与えた。長くて低い長方形のグリルとヘッドライトを備えたフロントボンネットの明確なラインと、六角形をテーマにしたホイールアーチからインスピレーションを得ている。急傾斜したキャビンには、オリジナルのカウンタックを彷彿とさせる直線を採用し、パワフルでクリーンな前後のラインに近づけた。リアウィングは未装備で、エアスクープをショルダー部分に組み込む。「NACA」エアインテークは、ボディサイドとドアに装備された。ルーフからリアへと貫く「ペリスコピオライン」は、上から見た場合、リアに向かって浮かんでいるように見えるという。

リアは、独特の逆ウェッジデザインが特長だ。リアバンパーは、より低く滑らかなラインを持ち、「ヘキサゴニータ」デザインが3分割のテールライトを形成する。カーボンファイバー製のリアディフューザーには、4本のエキゾーストテールパイプを組み込んだ。

オリジナルのスタイルを受け継ぐインテリア

ボディカラーには、ソリッドなヘリテージカラーの「Giallo Countach」(イエロー)、「Impact White」(ホワイト)、メタリックカラーの「Viola Pasifae」(パープル)「Blu Uranus」(ブルー)などを設定する。ランボルギーニならではのDNAを受け継いだ、専用のカスタマイズも用意されている。

カウンタックLPI 800-4のインテリアは、低く、四角いデザインとした。オリジナルのカウンタックのスタイルを変えることなく、シングルカラー、ツートンカラー、カーボンファイバーなど、独自のカスタマイズバリエーションが選択できる。

8.4インチのHDMIセンタータッチスクリーンを通じて、コネクティビティやApple「CarPlay」などをコントロールできる。また、「Stile」(デザイン)という専用ボタンが装備された。押すと、カウンタックのデザイン哲学が説明される、としている。

《森脇稔》

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