パガーニ『ウアイラ』に850馬力の「R」…モントレー・カーウィーク2021で発表へ

320km/h走行時に1000kgのダウンフォース

モータースポーツ向けダッシュボードディスプレイ

新開発V12エンジンはターボではなく自然吸気

パガーニ・ウアイラ R
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パガーニ・アウトモビリは、8月12日に米国で開幕する「モントレー・カーウィーク2021」において、『ウアイラR』(Pagani Huayra R)を実車をワールドプレミアするとともに、同車の主要な特長を初公開する。8月5日、パガーニ・アウトモビリが発表した。

パガーニ・アウトモビリは、アルゼンチン生まれのオラチオ・パガーニ氏がイタリアに設立した。1999年に『ゾンダC12』と呼ばれるスーパーカーを発売。パガーニ・アウトモビリはその後、『ロードスター』、『ゾンダF』、『ゾンダR』など、絶えず進化の手を加えてきた。

パガーニ・アウトモビリの現行モデルが、『ウアイラ』。ミッドシップに収まるのは、メルセデスベンツの高性能車部門のメルセデスAMGから供給を受けるM158型6.0リットルV型12気筒ガソリンツインターボエンジンだ。

320km/h走行時に1000kgのダウンフォース

ウアイラRは、サーキット専用に開発された究極のハイパーカーだ。将来のパガーニ車向けに開発されている技術を取り入れた実験的なモデルでもある。また、ウアイラRは、純粋かつ情熱的で力強いというパガーニの特長を、自由自在かつ魅力的に表現しているという。最高水準の自動車工学やエアロダイナミクスのノウハウに、かつてない美的感性を融合させたパガーニの技術力と開発力を体現した最新モデル、と自負している。

パガーニ・ウアイラ Rパガーニ・ウアイラ Rモノコックは、パガーニの30年に渡る複合素材の研究開発におけるノウハウを生かして、専用開発された。サーキットでの使用に適した安全構造を追求する。ロードバージョンと比較して、曲げ剛性が向上。ねじり剛性は16%向上しているという。軽量構造により、乾燥重量は1050kgに抑えられた。

エアロダイナミクスに関しては、320km/h走行時に、1000kgのダウンフォースを獲得する目標を掲げ、最低地上高の最適化などが図られた。冷却性能を引き上げるために、フロントに2つのサイドエアインテークが新設された。フロントブレーキシステムの効率アップや車両側面に向かう空気の流れを導き、最大のダウンフォースを生み出すのに役立つという。

フロントボンネットには、ウィングプロファイルを導入し、フロントの安定性を高めた。ホイールアーチの上の通気口と大型のサイドアウトレットにより、空気をより効果的に後方に流すことができるという。センターフィンを備えた新設計のルーフスクープは、V12-エンジンの吸気効率を向上させる。車体床下面のフラット化とリアディフューザー、専用ウィングを組み合わせることで、最大のダウンフォースを得られるようにした。パガーニ・ウアイラ Rパガーニ・ウアイラ R

モータースポーツ向けダッシュボードディスプレイ

コックピットでは、トラクションコントロールやABS、無線通信、その他の重要な機能の設定が行える。ステアリングホイールにはクイックリリース機能が付き、シートへのアクセス性を高めた。このステアリングホイールには、パドルシフトが付く。ライト、エンジンやサスペンションの設定、ブレーキバランスセレクターなどのコントロールスイッチが設けられた。

高解像度でカスタマイズ可能なモータースポーツ向けダッシュボードディスプレイは、ドライバーに必要な情報を表示する。オンボードテレメトリはすべての車両データを記録し、ドライバーとピットクルーが分析できるようにする。これにより、サーキットの特性に合わせた車両設定が可能になるという。ドライバーの体格に合うよう、調整式のペダルセットがAPレーシングと共同開発されている。パガーニ・ウアイラ Rパガーニ・ウアイラ R

新開発V12エンジンはターボではなく自然吸気

ウアイラRには、パガーニ製の新開発「V12-R」エンジンを搭載する。ツインターボではなく、自然吸気のV12エンジンは、最大出力850hp/8250rpm、最大トルク76.5kgm/5500~8300rpmを発揮する。このエンジンのレッドゾーンは9000rpmとした。

トランスミッションは6速シーケンシャルで、エンジンとともに、HWA社と共同開発された。レーシングクラッチによって駆動する非同期のドッグリングギアボックスは、95%の摩擦効率を可能にしている。

ギアボックスの単体重量は80kgに抑えた。シフト精度の向上やシフト時間の短縮を追求する。ギアボックスは、エンジンだけでなくモノコックにもしっかりと固定され、シャシー全体の剛性と耐久性に貢献しているという。

なお、ウアイラRは、30台を限定生産する計画だ。価格は、260万ユーロ(約3億3680万円)と発表されている。

《森脇稔》

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