トヨタ直営の「レクサス高輪」で車検不正…佐藤本部長「メーカーにも責任」

レクサスLS(参考画像)
  • レクサスLS(参考画像)

トヨタ自動車および、同社が全額出資する販売会社のトヨタモビリティ東京(東京都港区)は7月20日にオンラインで記者会見し、傘下営業店である「レクサス高輪」(同)が車検整備で不正を行っていたと公表した。

会見に出席したモビリティ東京の関島誠一社長の説明によると、6月17日に東京運輸支局が行った監査で、車検に関して道路運送車両法に違反する不正が発覚したという。不正の内容はヘッドライトの明るさ、パーキングブレーキの効き、排気ガスの成分―など5項目にわたり、基準を満たすようデータを書き換えたり、検査そのものを実施しなかったりしという。同店の整備員4人が関わっていた。

対象となるのは発覚までの2年間に車検が行われた565台で、この間に車検した全体のおよそ3分の1の車両で不正が行われていた。これ以前についてはデータがなく、確認できないという。また、対象の565台で、現時点では検査不正による事故や不具合等の発生はないとしている。

会見で関島社長は、「お客様への信頼を損なうことになり、また国の検査を代行する立場でありながら信頼を損なった。誠に申し訳ありません」と謝罪し、対象車両については速やかに再検査を行うと述べた。不正に至った原因については「増加する仕事の量に対し、人員や設備の増強が足りず慢性的な高負荷となっていた。また、時間内で検査を仕上げることを最優先した」と指摘した。

会見にはトヨタの国内販売事業本部の佐藤康彦本部長も出席し、「われわれの販売店への向き合い方が、営業の台数とかを重視する姿勢になっていた。メーカー側にも大きな責任がある」としたうえで、「販売店の職場環境も含め、オールトヨタ一丸となって信頼回復の取り組みをスタートさせたい」と語った。

トヨタの販売店では今年4月にネッツトヨタ愛知(名古屋市)でも大規模な車検不正が発覚している。佐藤本部長は、全国258社の販売店で「メーカーも入りながら総点検活動を実施している」と指摘したうえで、今後、同様の不正が見つかった場合は「分かった時点で速くお客様にお知らせするなど、決してぶれることなく対応していきたい」と強調した。

《池原照雄》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集