【ランドローバー ディフェンダー 新型試乗】都会での日常的なアシとして使えるか?試してみた…岡本幸一郎

ランドローバー ディフェンダー 110
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2021年初夏時点で、オーダーから納車まで1年ぐらいかかるほど、まだかなりのバックオーダーをかかえているらしい『ディフェンダー』。筆者は昨夏に新潟の妙高で開催された試乗会でもドライブし、公道だけでなくオフロード走行も行ない、いかによくできているかは確認済み。日本に上陸したディーゼルや「90」も気になるところだが、今回はあらためてガソリンの「110」を借り出し、日常的なシチュエーションで使ってみてどうかも含め試してみた。

というのは、現在メルセデスのSUVとMINIを愛用しているご近所さんと話していて、ディフェンダーに非常に興味を持っていることがわかったから。せっかくなので、いっしょに実車を見てもらうことにした。

日常的に都内で使うとなると

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広々とした妙高ではそれほど気にならなかったのだが、自宅の駐車場に止めると、ざっくり5m×2m×2mというだけのことはあって、やはりかなり大柄であることを実感させられる。その大きさもまたこのクルマの魅力のうちであるわけだが、日常的に都内で使うとなると心しておく必要はありそう。そこはご近所さんも同様に感じたようだ。

むろん小回りも利かない。狭い道を走るときはもちろん、あまり駐車場の広くないスーパーに行ったときなど、特徴のひとつである横開きバックドアのことも含め、やはり駐車する場所を考える必要はある。ただしスクエアな形状なので見切り性に優れ、カメラ画像が精彩で見やすいのはありがたい。ボンネットが透けて見えるかのような画像を見られるのが重宝するシチュエーションは日常使いの中にもある。また、ラゲッジの荷物を積み下ろしする際には車高調整機構が重宝する。

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それにしても人通りの多い場所を走ると、ものすごく見られる。いかにもクルマが好きそうな中高年からだけでなく、意外と若い人からも目で追われるのを感じる。そしてクルマを見た後、たいてい僕の顔のほうに視線が向くのは、どんな人が乗っているのか気になるからだろうか。このクルマに乗っていると当面はそうなることだろうが「それもまた楽し」だ。自宅前の駐車場に止めておいたところ、親子で通り過ぎた数分後に本人だけ再びもどってきて遠まきにディフェンダーをしばらく眺めていたという人もいた。

重々しさを感じさせない走り

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これほど大柄ながら、走りは軽快というと語弊はあるが、重々しさを感じさせないところはたいしたものだ。ただし、最近ではキビキビと走れるSUVも多いが、そこまではあえてやっていない。このクルマがあまり身軽になるとそれはそれで似合わないので、今ぐらいがちょうどよい。

さらには首都高速やアクアラインを走っても、いろいろ感心させられた。まず乗り心地のよさ。アンジュレーションの多い横羽線で、これほど大きくて重いタイヤを履いていながらも路面からの入力を巧みに処理しているので乗り心地はいたって快適だ。そういえば以前、悪路を走ったときにはもっと強い衝撃もものともせず受け止めていたのだから、舗装路の多少の凹凸や起伏ぐらいなんてことはないのだろう。

さらに、アクアラインでは吹き流しが真横を向くぐらい風が強かったにもかかわらず、走行ラインをあまりブレさせることもなく不安なく走れたことにも驚いた。それは車線維持機能をOFFにしても変わらず。トレッドが広くてタイヤがワイドで車両重量が大きいおかげもあるが、見てのとおりの角ばったフォルムながら、そのあたり空力的なこともちゃんと配慮されているのだろう。長距離を走っても疲労感は少なくてすむに違いない。

また、2.2トンを超える車両重量ながら2.0リットルのターボエンジンでも意外とストレスなく走れることはすでに承知していたが、あらためてそれを確認できた。アクアラインにあるような長らく続く多少の上り勾配も適宜シフトダウンしてギアをホールドしてくれるので平坦地と同じような感覚で走れてしまうのも助かる。

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肝心の「ご近所さん」の反応は

という感じで、いろいろ新たに気づいたことも多々あった次第である。肝心のご近所さんは、クルマの細かいところまで見てもらい筆者の運転で同乗してもらったりしたところ、相当に魅力を感じていることには違いなさそうなのだが、現状は大きさがネックで決めあぐねている様子だ。であれば90という手もあるが、ドアは4枚欲しいので、やはり110のほうがよく、長距離を走る機会が多いのでディーゼルも気になるとのことで、現在悩み中のようだ。早く決めないと納車がどんどん遅くなっちゃいますよ~。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

岡本幸一郎|モータージャーナリスト
1968年、富山県生まれ。学習院大学を卒業後、自動車情報映像の制作や自動車専門誌の編集に携わったのち、フリーランスのモータージャーナリストとして活動。幅広く市販車の最新事情を網羅するとともに、これまでプライベートでもスポーツカーと高級セダンを中心に25台の愛車を乗り継いできた経験を活かし、ユーザー目線に立った視点をモットーに多方面に鋭意執筆中。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

《岡本幸一郎》

岡本幸一郎

1968年、富山県生まれ。学習院大学を卒業後、自動車情報映像の制作や自動車専門誌の編集に携わったのち、フリーランスのモータージャーナリストとして活動。幅広く市販車の最新事情を網羅するとともに、これまでプライベートでもスポーツカーと高級セダンを中心に25台の愛車を乗り継いできた経験を活かし、ユーザー目線に立った視点をモットーに多方面に鋭意執筆中。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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