BMWの新世代EV、『iX』と『i4』…パワートレインの生産を専用工場で開始

クロスオーバーEVのiXは1回の充電での航続が最大約600km

4ドアクーペEVの i4はツインモーターで530hp

2022年には年間50万台分のEV向けパワートレインを生産

BMW iX と i4
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BMWグループ(BMW Group)は5月26日、新世代EVの『iX』と『i4』のパワートレインの生産を、ドイツ・バイエルン州ディンゴルフィンの専用工場で開始した、と発表した。

クロスオーバーEVのiXは1回の充電での航続が最大約600km

iXは、クロスオーバーEVで、BMWグループの新開発プラットフォームをベースにした最初のモデルとなる。BMW iXは、成功を収めている「スポーツ・アクティビティ・ビークル(SAV)」コンセプトを、サステイナビリティやインテリアの広さなどに焦点を当てて、再定義したという。全長と全幅はBMW 『X5』と同等で、全高はBMW 『X6』と同等、ホイールサイズはBMW 『X7』と同じとし、力強いプロポーションを追求した。

iXには、第5世代の「BMW eDrive」テクノロジーが搭載される。モーターは、フロントアクスルとリアアクスルに搭載された。まずは、「xDrive50」と「xDrive40」の2グレードが設定される。xDrive50の場合、最大出力は500hpで、0~100km/h加速は5秒で駆け抜ける。xDrive40の場合、最大出力は300hpとなり、0~100km/h加速6秒の性能を発揮する。

バッテリーの蓄電容量は、xDrive50が100kWh、xDrive40が70kWh。1回の充電での航続(WLTPサイクル)は、xDrive50が最大約600km、xDrive40が最大約400kmとなる。

iXでは新しい充電技術により、高い充電出力でDC(直流)急速充電できる。xDrive50は最大出力200kW、xDrive40は最大出力150kWで急速充電できる。どちらのモデルも、40分以内にバッテリー容量の80%を充電することが可能だ。10分の急速充電で、xDrive50は120km走行分、xDrive40は90km走行分のバッテリー容量を充電できるという。

4ドアクーペEVの i4はツインモーターで530hp

一方、i4は、個性的なデザインと高いパフォーマンスを備えたBMW iブランド初のグランクーペになる。BMW i4は、BMWブランドの4ドアクーペに共通するスポーティでエレガントなデザインに加えて、優れたパフォーマンスを追求している。

BMW i4用に開発されたツインモーターは、最大出力530hpを発生する。530hpのパワーは、新型『8シリーズ』や『X7』、新型『X5』、『X6』など、現行のBMWの4.4リットルV型8気筒ガソリンターボエンジン搭載車と同じレベルにある。パワフルなモーターを得たi4は、0~100km/h加速およそ4.0秒のパフォーマンスを実現する。

また、BMW i4用に開発された高電圧バッテリーは、フラットな設計と最適化されたエネルギー密度が特長になる。バッテリー単体の重量は約550kgだ。蓄電容量はおよそ80kWhと大容量で、これにより、BMW i4の1回の充電での航続は、最大で590km(WLTP計測)に到達する。

次世代の充電システムは、プラグインハイブリッド車(PHV)とEVで利用できる。出力は最大150kWだ。これにより、BMW i4の高電圧バッテリーは、およそ35分間で容量のおよそ80%分を充電できる。100km走行分のバッテリーを充電するには、およそ6分で済むという。

2022年には年間50万台分のEV向けパワートレインを生産

BMWグループは、このiXとi4のEVパワートレインの生産を、ドイツ・バイエルン州ディンゴルフィンの専用工場で開始した。

この専用工場は、「Eドライブ・プロダクション」のコンピテンスセンターと呼ばれている。現在、12万5000平方mの広さの工場で、約1400人が働いており、2021年末までに、約1900人に増員される予定だ。2022年には、EV向けパワートレインの生産能力を年間50万台分に拡大していく。

Eドライブ・プロダクションのコンピテンスセンターでは、電気モーターと関連コンポーネント、高電圧バッテリーとバッテリーモジュールを製造している。塗装コーティング加工も施される。このコーティングにより、堅牢性と熱伝導性が向上し、第5世代バッテリーシステムの絶縁性と冷却性が高まるという。

ディンゴルフィン工場は、BMWグループの最初のフルEV、BMW 『i3』が生産を開始した2013年以来、高電圧バッテリーとバッテリーモジュールを製造してきた。2014年には、プラグインハイブリッド車(PHV)用の電気モーターと高電圧バッテリーの生産も開始した。

また2019年からは、フルEVのMINI『クーパーSE』用の高電圧バッテリーも製造している。2020年からは、電動SUVの『iX3』向けの第5世代のBMW eDriveも生産。将来の電動モデル用のBMW eDrive も、柔軟な設計の生産ラインで組み立てる、としている。

《森脇稔》

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