【ダイハツ タフト 新型試乗】ハスラーとの競争を巧みに避けた実力車…渡辺陽一郎

ダイハツ タフト
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ダイハツ『タフト』は全高が1600mmを上まわるSUV感覚の軽自動車だ。スズキ『ハスラー』と外観や商品の性格が似ている。

しかもハスラーは初代を2013年、2代目の現行型を2019年に発表したが、タフトは現行型が初代モデルで登場したのは2020年6月だ。従ってタフトは、ハスラーの後追い商品に見られやすい。

ハスラーとの競争を巧みに避けた「タフト」

ダイハツ タフトダイハツ タフト
そこで装備を充実させた。価格が135万3000円のタフトX(2WD)にも、ガラスルーフのスカイフィールトップ、フルLEDヘッドランプ、電動パーキングブレーキなどを標準装着する。ハスラーハイブリッドGの価格は136万5100円だが、ルーフは普通の形状で、ヘッドランプはハロゲン、パーキングブレーキは足踏み式だ。

その代わりタフトは、後席を荷室と割り切った。座り心地はハスラーよりも硬く、大腿部と座面の接する部分が短いから快適とは言い難い。シートアレンジは、ハスラーは後席に左右独立式のスライド機能を備えるが、タフトは固定式だ。足元空間もハスラーに比べて狭い。

またハスラーは全車にマイルドハイブリッドを搭載して、ノーマルエンジン(2WD)のWLTCモード燃費は25km/リットルだが、タフトは20.5km/リットルに留まる。つまりタフトは装備を充実させる一方、シートアレンジをシンプルにして、ハスラーとの競争を巧みに避けた。

ダイハツ タフトダイハツ タフト

機敏に走るのが似合う軽自動車

ダイハツは軽自動車の種類が多く、背の高い乗用車だけでも、『ムーヴ』、『ムーヴキャンバス』、『キャストスタイル』、『タント』、『ウェイク』と豊富にそろえる。後席の快適な車種は、ほかに用意されているから、タフトでは割り切ったわけだ。

タフトを運転すると、乗り心地が硬く感じる。大きめの段差を乗り越えた時の突き上げ感は抑えたが、路上の細かなデコボコを伝えやすい。軽自動車は低速域で走る機会が多いため、乗り心地の硬さを意識する機会も増えるだろう。購入する時は確認しておきたい。

その代わり走行安定性は良好だ。カーブを曲がる時のボディの傾き方は、ハスラーよりも少なく、車線変更時も左右に振られにくい。後席の背もたれを倒して荷室として使い、2名以内の乗車で少し機敏に走るのが似合う軽自動車だ。売れ行きは乗り替え需要が多いためにハスラーが上まわるが、タフトも大差は付けられずに健闘している。

ダイハツ タフトダイハツ タフト

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト
1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

《渡辺陽一郎》

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト 1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

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