コロナショックで変わる日本の物流ロボット活用…ZMP キャリロ事業部長 笠置泰孝氏[インタビュー]

コロナショックで変わる日本の物流ロボット活用…ZMP キャリロ事業部長 笠置泰孝氏[インタビュー]
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無人タクシーなど自動運転技術を活用したソリューションを提案するZMP。人を運ぶだけではなく、物流に対してもアプローチしている。物流ロボットについて、キャリロ事業部長の笠置泰孝氏に聞いた。

笠置氏は、6月30日開催のオンラインセミナー【コロナ時代のMaaS/DX/物流~Hacobu、ZMP、MONETの戦略~】に登壇し、Withコロナ社会での物流ロボットの活用事例と未来像について講演する。

共存から完全無人・遠隔操作へ

---:コロナショックによる物流ロボットに対するニーズの変化について教えてください。

笠置氏:1~2年前から物流の現場は人手不足が深刻化しており、倉庫や工場内の搬送ロボットに対するニーズが高まっていました。

さらにコロナの影響で、外出自粛による巣ごもり消費は、通販やECは需要が伸びました。一方、人手不足だった倉庫業は、ますます人手不足となりました。そのため、人手不足と物流の増加で、搬送ロボットのニーズも急激に伸びました。

人手不足対策に加えて、屋内環境での三密を避けたい、人のすれ違いや密集は気にしていなかったが距離を保って業務を行いたいというニーズが高まっています。

---:物流ロボットの活用の仕方について、完全無人化を進める海外と異なり、日本は人とロボットの”共存“がユニークだと言われていました。変化はありましたか?

笠置氏:コロナ前は、多くの企業では、”共存”から徐々に”完全無人”へと中長期的なスパンで移行する計画を立てていました。しかし、コロナの影響により、3年前倒して、完全無人へ梶を切るような企業も出てきています。

その中でも本当に完全無人に梶を切れる企業は、大規模な倉庫です。中小規模の倉庫は、スペース的に人が作業用をする必要あったり、多額の費用をかけて物流ロボット導入に対して投資できなかったりします。そのような企業に対しては、より汎用性が高く手軽に導入のしやすいタイプのニーズが高まってきています。
CarriRoとしては、そのような異なるニーズの現場それぞれに合わせたかたちで導入ができるように機能開発を進めています。

無人化と遠隔化をめざす

完全無人になってくると、遠隔操作もセットで考える必要があります。物流ロボットを遠隔から操作ができなければ、物流ロボットがモノにぶつかって動けないなど、トラブルが発生した時に、わざわざ人が現場に行って対処しないといけないからです。もし遠隔操作ができれば、現場に行かなくても、物流ロボットを操作して、トラブルを解決することができます。

そこでZMPは、物流ロボットをクラウドでつなげて、遠隔で一元管理する「Robo-HI(ロボハイ)も提供しています。これにより、運用を可視化したり、複数台を同時制御することが可能となります。

特徴は導入のしやすさ

---御社の商品の特徴は?

笠置氏:「購入後すぐに使える」「リーズナブルな価格だ」「操作しやすい」とお客様から好評です。

CarriRo(キャリロ)シリーズで2タイプの配送ロボットを用意しています。1つは、人の後を追従するタイプ(CarriRo FD)。もう一つは自律走行モデル(CarriRo AD)です。

自律移動モデルは、ランドマーク(二次元コード付きシール)を10メートル毎に床に貼ります。ロボットは、そのランドマークと画像認識を使って位置を認識して動きます。固定ルートや可変ルートを設定することができます。専用のアプリでタブレット操作して動かします。操作も簡単で、スタートボタンを押すだけで、目的地までモノを運んでくれます。

従来型の工場などでよく使われるAGVなどは、床に工事をして磁気を埋め込む必要があり、手間とコストがかかります。しかしZMPの物流ロボットは、そのような工事が不要です。

CarriRo以外にも無人フォークリフト(CarriRoFork)なども用意しています。

---:CarriRoの価格について教えてください。

笠置氏:CarriRo FDは月額3万4千円で、CarriRo ADは月額5万2千円です。導入された企業は人件費と比較されており、CarriRoは2台入れると省人効果があるようです。したかがって、人件費1人あたり月額30万円と、CarriRo ADであれば2台約10万円と置き換えることが可能となり、費用対効果として十分ペイする計算となります。

---:導入実績を教えてください。

笠置氏:CarriRo シリーズは、2016年8月から販売を開始しており、これまでに200社が導入しました。平均導入台数は3~5台で、導入台数が多い企業では約20台です。CarriRo はZMPの主力事業となってきています。

物流ロボットの活用は10%以下

---:日本の倉庫における物流ロボットの活用は何%ですか。

笠置氏:統計データではないですが、肌感覚で日本の走行における物流ロボットの活用は全国の全ての倉庫・工場の現場では、まだ10%を切っていると感じています。

海外の物流ロボットは、レーザーセンサーでマッピングするものが多くアメリカやヨーロッパは機能性が高いですが、価格が高くなっています。中国製の方が、欧米よりも比較的安いようです。日本では海外製のものも比較検討にはあがる機会は増えているようですが、まだ普及しているという状況ではないと思っています。

日本の倉庫はかなりの数があります。コロナショックにより、物流ロボットに対する投資が高まっています。流れがつくと、一気に広がる可能性があるのではないかと予測しています。

---:海外進出に対しては?

笠置氏:海外も視野に入れており、並行してリサーチやマーケティング活動を行っています。韓国、中国、タイ、シンガポールなどアジア圏を中心に徐々に出荷を開始している状況です。日本の物流ロボットの潜在的な市場規模は大きく、日本の市場を一定規模とれると海外への展開も弾みがつくと考えています。

笠置氏が登壇するオンラインセミナー【コロナ時代のMaaS/DX/物流~Hacobu、ZMP、MONETの戦略~】はこちら。

《楠田悦子》

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